燕・歳時記 Special

３月２４日は、今シーズン最後の燕山荘スノーシューツアー「親子で体験スノーシューツアー」を催行しました。

朝起きてみると、窓越しに見える光景は吹雪き模様だった２４日ですが、その後天候は急速に回復し、出発時間を少し遅らせたことも幸いし、栂池自然園に着く頃には、眩しい陽射しが降り注ぐ、絶好のスノーシュー日和となりました。

未明から降り始めた雪は、早朝が一番強い降りで、にわかに１０㎝以上は降り積もった栂池一帯。昨日までの春めいた陽気が一変しました。

今回は小学生５年生の男の子が参加。
聞くと、３歳の頃に尾瀬デビュー（半分背中に背負われた状態だったようですが）、小学生に入ってからは神奈川県丹沢や北アルプス縦走にも出かけるようになったということで、それだけ体力あれば、多少の降雪の中でも元気に遊べるだろうとの判断で、いざ栂池自然園に出発。

天気の急速な回復で、みるみる周辺の峰々も顔を出し始め、いい雰囲気になってきました。

「スキーとスノーシュー、どっちが好きですか？」
「絶対スノーシュー！そしてラッセル、ラッセル！」
新雪が降り積もった辺り一帯を、先頭きってぐんぐん歩き回ります。某山岳漫画は全て読み尽くしたそうで、登山用語や、海外の山の名前などもよく知っていて、こちらがタジタジになるほどでした。
そしてどうやら、漫画のシーンによく出てくる、“ラッセル”を楽しみにしていたようです。

「ゾンデ棒でしょ？」
とにかくよく知っています。辺り一帯どのくらい雪が積もっているか調べてみようということで、取り出した「プローブ」を見てすぐに答え。
実際、３ｍほどの積雪でした。

「ソリ最高！」
そこは男の子らしく、存分にソリ遊びに夢中となっていました。

スコップの使い方や掘方を簡単に教えてあげると、進んで風除けの縦穴掘りを手伝ってくれました。何とも様になっています。そこで親子そろってランチタイム。

「かっこいいね」
「きれいだね」
午前中見えていなかった白馬岳がようやく顔を出し、親子そろって見入っていました。
後ろ髪惹かれる想い出下山開始。

帰りは、栂池自然園から栂池高原スキー場のゴンドラ山頂駅まで、林道コースをショートカットしながらソリ三昧。あっという間の楽しい時間を終え、帰路に就きました。

この度、神奈川県からお越しの「親子で体験」。ご参加いただきありがとうございました。

（３月２４日夕方の栂池高原から見る北アルプス）

２０１９年のスノーシューツアーは、これですべての日程を終了致しました。
この冬は、「少ない雪」が合言葉のようではありましたが、結果としてそれによるスノーシューツアー催行自体への影響はほとんどなく、加えて全ツアー大きな事故怪我なく終えることができました。

ご参加いただいたお客様はじめ、各方面・各宿泊施設の関係者の皆様にも大変お世話になりました。この場をお借りしまして感謝申し上げます。

ご参加のお客様からその都度頂きましたご助言やアドバイスを参考に、来シーズンも新企画を増やす一方、既存のコースも取り揃え、雪山に少しでも興味ある方々のご参加を心よりお待ち申し上げております。ありがとうございました。

ガイド・写真・文：榊