冷え込んだGW後半
4月28日から始まった大型連休は5月6日に終わり、これで夏山シーズンを迎える7月中旬頃まで燕岳周辺は比較的静かな山歩きが楽しめる時期となります。
GW前半、下界の初夏の空気がそのまま山にも上がってきたのかなと思わせるぐらい汗ばむいい天気が続きましたが、後半は一転して周期変化の空模様。スタッフが4月18日に入山して以来はじめての降雪が吹雪模様になるなど、その温度差や天気の変わり様にスタッフも登山客の方もびっくりするほどでした。
上の写真にもあるように1日違うだけなのですが、この急な天気変化が起こりやすいのが、春先4月5月の特徴ですが、殊、燕岳周辺においては大きな事故がなくGW終えることができたのは何よりでした。
5月3日~6日かけて催行した燕山荘主催「燕岳ビギナー春山登山教室」を通し、GW後半の燕山荘周辺の模様をご覧いただければと思います。
【第3回燕岳ビギナー春山登山教室5月3日~4日】
5月3日は、朝8時くらいまで山のてっぺんから登山口までしっかり雨降りだったため、1時間ほど遅らせての出発。その後天候は回復し、おかげで一度も濡れることなく到着することができました。
ただ、その後“寒気が入ってくる”予報通り、夕方以降気温がグッと下がりました。
「雨から晴れ、そして吹雪と、山で一度に多くの天気を体験することができて、とてもいい経験になりました」
合戦小屋
ベンチ上に15センチほど
第二ベンチ上部
第一ベンチ
4日の昼頃、解散場所となる有明荘玄関前でも雪が降りしきる空模様でした。この日は第二ベンチ辺りまでうっすら白く雪化粧となるほど。中房線の道路は路面が濡れる程度で、凍結等の支障はありませんでした。
【第4回燕岳ビギナー春山登山教室 5月5日~6日】
直前までの降雪はおさまり、上空の寒気も抜けたようで、徐々に陽ざしが眩しくなっていきました。
登山口上部のカラマツ林は、淡い新芽が出揃い始め、新緑の季節を迎えています。
合戦小屋上部
合戦沢の頭上部から燕山荘方面
燕岳山頂から
燕岳山頂直下から燕山荘方面 遠望常念岳
燕山荘裏手より
それまで黄砂などの影響でやや茶褐色気味の雪で覆われていた稜線の山肌は、新雪のおかげでやや白さを取り戻しました。積雪量はほとんど変わりありません。
ただここ数日の冷え込みで、雪面はだいぶ固くなり、合戦小屋より上部はアイゼン・ピッケルがまだまだ必要な状態となっています。
3回目ご参加の皆さん
4回目ご参加の皆さん
ご参加頂きました皆さん、ありがとうございました。
<GW期間中の春山登山教室担当ガイド>
左から
榊寛昭:燕山荘グループ・大天荘支配人
大蔵喜福氏:登山家。ヨーロッパアルプスをはじめ、アメリカ大陸、ヒマラヤなど世界の8000m峰14座のうち7座登頂の他、26年連続マッキンリー登頂。山頂の気象記録を研究。燕山荘企画親子ふれあいファミリー登山スクールや年末年始の冬期燕岳登頂ツアーの特別講師も務める。
赤沼健至:燕山荘グループ代表
赤沼敏治:燕山荘グループ・海外トレッキング旅行会社「天渓」代表
中島政男氏:国際山岳ガイド。夏はフランス・シャモニをベースに40年近くヨーロッパアルプスをガイド。冬は国内中心に冬山をガイド。冬期燕岳登頂ツアーの特別講師も務める。
写真と文:榊 寛昭
【5月6日現在 合戦尾根登山道状況】
5月6日現在、登山口~第三ベンチはほとんど雪ありません。第三ベンチ~合戦小屋は、日陰の辺りを中心に積雪が数十センチあります。なお、合戦小屋までは夏道です。
合戦小屋~燕山荘は、多い所でまだ1m以上の積雪があります。アイゼン・ピッケルの携行をお勧め致します。冬ルートにつき、赤旗を立ててありますので、上下山の目安としてください。
【今後の燕岳ビギナー春山登山教室日程】
第4回 2018年5月12日(土)~13日(日)
第5回 2018年5月19日(土)~20日(日)
第6回 2018年5月26日(土)~27日(日)
詳細、ご予約は、「イベント情報」ページをご参照ください。