雷鳥、そして芽吹きの季節
GW真っ只中、山好きの方々は、あちこちの山にお出かけのことと思います。
今年のGW前半は概ね晴天に恵まれ、強いて言えば少々雪が物足りないかな・・・あえて雪山を目当てにお見えの方々にはそう感じられるかもしれませんが北アルプスの稜線は間違いなく雪山そのもので、それを楽しんで頂ける環境は充分に整っています。
生き物達の活動も徐々に活気づいてくる時期でもあり、5月1日には、表銀座縦走路の蛙岩~燕山荘で元気な雷鳥の姿を見かけました。第2回目の燕岳ビギナー春山登山教室の模様と併せて、燕山荘周辺の最新状況をお伝えします。
燕山荘テント場脇から燕岳
スタッフが4月18日に入山して以来、まだ燕岳周辺の稜線上では一度も降雪が無く、燕岳は例年の5月下旬頃の様子となっています。
メガネ岩と槍ヶ岳
イルカ岩と槍ヶ岳
ひと降り雪が降れば、真っ白なイルカがご覧いただけるのですが・・・
蛙岩と槍ヶ岳
蛙岩から大天井岳方面
蛙岩から燕岳方面
表銀座縦走路 燕山荘手前から燕岳方面
蛙岩冬ルート
燕山荘~大下りの頭間はほとんど雪を踏むことはありません。燕山荘ベースに蛙岩や大下りの頭までのルートは、槍穂を眺めるのに最適な散策コースです。
ただ、夏ルートと称される箇所は残雪と雪庇の張り出しの関係で通れません。燕山荘~大天井岳~常念岳方面への縦走は要所冬ルートの通行につき、ルートファインディング等、自信のない方や初心者だけでの行動はお控えください。また、ピッケル・アイゼンの携行も必要です。
加えて、この時期の西岳~槍ヶ岳方面の東鎌尾根は、エキスパートコース(雪山熟達者向け)である旨ご承知おき願います。
<雷鳥>
オスの雷鳥:日本の、殊北アルプス稜線上に生息する雷鳥は、ヒトに対しての警戒心が薄いと評されているようですが、撮影のため身構えていた私の足元20㎝くらい前を、何の疑いもなく通り過ぎてゆく姿は、何とも愛おしく感じました。既に夏毛へと変わり始めています。
<麓より春の訪れ>
有明荘前に咲くヤマザクラ
第一ベンチ付近に顔を出し始めたマイヅルソウの新芽
オオカメノキ
この他、既にイワナシは所々花を咲かせはじめています。第一ベンチ辺りでは鶯もよく鳴くようになり、登山口辺りから春の訪れを感じるようになりました。
<第2回燕岳ビギナー春山登山教室>
「ロープをつけての滑落停止とトラバース歩行、真剣みが増してとても有意義でした」
「今まで無関心だったツェルトやレスキューシートの必要性を、今回しっかり学べてよかった」
「2泊3日ではあったけれど、あっという間で、充実した3日間。すべてが勉強になりました」
ご参加頂きました皆様、ありがとうございました。
ガイド:赤沼敏治、大蔵喜福氏、榊寛昭
写真と文:榊