第2回ライチョウ観察会と6月の山歩き
6月24日、25日と第2回ライチョウ観察会を開催いたしました。現在メスのライチョウは抱卵期なのでなかなか見つかりませんが、下山の朝、オスを見ることができ、皆さん感動のご様子でした。6月はコマクサがつぼみを付け始め、花も咲き始め、静かな山歩きができる季節です。
ライチョウを探しながら燕岳山頂に向かいました。ここのところ雪解けが進んで山を彩るお花がたくさん咲き始めました。
コマクサがつぼみをつけました。
ハクサンイチゲ
これからたくさんの花を咲かせます。
今回は初めて燕岳にお越しのお客様も多く、稜線歩きを楽しんでいらっしゃいました。
イルカ岩にて
燕岳山頂にて
メガネ岩にて
2日目は早朝より雨となり、植松講師、燕山荘グループ代表赤沼より自然を守ることの大切さをお話しさせていただきました。
赤沼からは地球環境の変化で山岳にも影響がでていること、そして温暖化によって氷河期を生き残ったライチョウが生息しにくくなっている現状をふまえて、今、山小屋としてどのように地球環境に貢献していくかをお伝えさせていただきました。
植松講師からは、雷鳥の生態をはじめ、山岳における動、植物を学術的にレクチャーいただき、
生き物全体を考えていく必要性を学ばせていただきました。
燕岳山頂方面に探しに出かけた時は、出会えませんでしたが、肝心のライチョウは燕山荘周りで見つけることができました。
何回もご参加いただいているお客様、初めてお越しのお客様、ご参加ありがとうございました。
【6月は静かな山歩きができます】
梅雨の時期は、野鳥の声に耳をすまし、可憐なお花をゆっくりご覧いただけます。
「あそこにキクイタダキがいるよ」野鳥の声に癒されます。
ミネザクラがやっと咲き始めました。
山の春です。
第2回ライチョウ観察会ガイド:林正美、長谷川格 講師 植松晃岳氏
写真・文 林 正美
燕山荘ライチョウ観察会記録
(1回目2017年6月17日・18日、2回目6月24日・25日)
※天気・・・6月17日/晴れ、18日/晴れ、24日/晴れ、25日/雨。
※データは1回目、2回目をあわせたもの。植物は草本、木本とも開花していたもののみ記録。
《ライチョウ》
①6月18日/燕山荘下♂1(飛翔)、②6月18日/大天井方面約500m♂1(見張り)、③6月18日/合戦尾根三角点上♂1、④6月22日/めがね岩北♂1(見張り)、⑤6月23日/めがね岩北♀1(採餌)、⑥6月25日/燕山荘前♂2(採餌)、ほか山荘スタッフによる目撃情報から最低3ペアが小屋周辺で繁殖していると思われる。なお合戦尾根でもライチョウが確認されたことから、例年より繁殖ステージは遅れていると思われる。
《確認した動植物》
●野鳥(21種類)
【中房登山口1462m~第1ベンチ1660m】
ヒガラ、シジュウカラ、オオルリ、ウグイス、ヤブサメ、ホシガラス、
【第1ベンチ1660m~第2ベンチ1820m】
コガラ、コマドリ、コルリ、メボソムシクイ、ビンズイ、
【第2ベンチ1820m~第3ベンチ2000m】
エナガ、ルリビタキ、
【第3ベンチ2000m~富士見ベンチ2200m】
キクイタダキ、ツツドリ、
【富士見ベンチ2200m~合戦小屋2370m】
ホトトギス、
【合戦小屋2370m~三角点2489m~燕山荘2712m】
ライチョウ、カヤクグリ、ウソ、
【燕山荘2712m~燕岳2763m】
イワヒバリ、アマツバメ、
●哺乳類
・キツネ(糞)、サル(糞)、ウサギ(糞)、
●両生類
・アズマヒキガエル
●その他
・ヤマキマダラヒカゲ、エゾハルゼミ、
●植物・・・花が咲いていた主なもの
積雪及び低温から開花が平年より2週間程度遅れていると思われる。
【中房登山口1462m~第1ベンチ1660m】
ミヤマニガナ、ギンリョウソウ、マイヅルソウ、ツクバネソウ、アカモノ、ムラサキヤシオ、ウラジロヨウラク、ミヤマニガイチゴ、ハイイヌツゲ、
【第1ベンチ1660m~第2ベンチ1820m】
タニギキョウ、ゴゼンタチバナ、ユキザサ、オオバスノキ、
【第2ベンチ1820m~第3ベンチ2000m】
イチヨウラン、イワカガミ、イワナシ、タケシマラン、コヨウラクツツジ、オオカメノキ、
【第3ベンチ2000m~富士見ベンチ2200m】
バイカオウレン、コミヤマカタバミ、ミネザクラ、
【富士見ベンチ2200m~合戦小屋2370m】
ショウジョウバカマ、
【合戦小屋2370m~三角点2489m~燕山荘2712m】
ミヤマキンバイ、ミヤマハンノキ、
【燕山荘2712m~燕岳2763m】
オオバキスミレ、ハクサンイチゲ、ウメハタザオ、ヤマハタザオ、コマクサ(蕾)、ミヤマダイコンソウ(蕾)、キバナシャクナゲ、ハクサンシャクナゲ
(講師の野生生物資料情報室植松晃岳氏提供)