燕・歳時記 Special

燕山荘通信

槍ヶ岳登頂表銀座縦走ツアー


例年より暖かい秋になっていますが紅葉は順調に進んでいます。今、この稜線あたりは紅葉のピークを過ぎつつあり、少しずつ晩秋の気配が漂い出してきました。

9/25~28に燕山荘の秋の恒例企画、槍ヶ岳登頂表銀座縦走ツアーを行いました。燕山荘グループの各小屋(燕山荘、大天荘、ヒュッテ大槍)に泊まりながら槍ヶ岳登頂を目指すものです。

9月に入り、雨の日が多くなっています。出発の日も今にも雨が降り出しそうな天気だったので、雨具を着て、大天荘を目指しました。

燕山荘~大天井岳までの稜線の中でも大下り周辺の紅葉が特にきれいです。このあたりは風が強く吹く所で、その影響でカラマツも面白い形になっています。そのカラマツは他の木々より紅葉が少し遅く、ようやく色が変わりだしてきました。

大天荘

大天井岳の登りにさしかかる頃、雨が降り出してきましたが、雨に打たれる時間も少なく大天荘に到着することが出来ました。その後、雨が強くなり、東天井岳までの散策をやめて、燕山荘グループ代表赤沼の写真を見ながらお話し会となりました。

大天荘では、この時期夕食に味噌汁のかわりに、山形県名物の芋煮をお出ししています。お替わりの列ができる人気の逸品です。

ランプの喫茶室
大天荘営業期間中の平日、夕食後の食堂は「ランプの喫茶室」になります。コーヒー、ケーキ、アルコールなどのメニューがあり、支配人特製ホットワインも人気です。

翌朝には雨が上がり、2日目はきれいなご来光を見て出発となりました。浅間山の横にはサンピラーも見られ、素敵な一日となるような気がしました。

その日のうちに槍ヶ岳の登頂を目指すために5:35の日の出とともに出発しました。すると目の前に見える槍ヶ岳や穂高岳の高い所から順に朝日があたりはじめ、最高のスタートとなりました。

本当に久しぶりの青空になりました。とにかく雨の多い秋となりましたが、この晴天の日にツアーの催行というタイミングとなり、なんともラッキーでした。

青空もきれいでしたが、雲もきれいで黄葉したダケカンバの後ろに広がるうろこ雲が私達の目を楽しませてくれました。

大天井岳~西岳の間は紅葉の中を歩く、とても気持ちのいい稜線歩きとなります。この稜線の東側のダケカンバは早くも葉を落としていて、白い木の幹がよく見えていました。強い東風でも吹いたのでしょうか。

西岳より東鎌尾根

タカ
この時期は、タカが南へと渡っていく姿を目にすることが出来ます。

チングルマ
チングルマは花が落ちても紅く紅葉した葉が楽しませてくれます。そんな中、まだ一輪だけ花を咲かせているものがありました。

東鎌尾根の紅葉
西岳まで来ると東鎌尾根が目の前にドーンと現れます。ここからは両手を使うことも多くなってくるので、ここでストックをしまい、気を引き締めて歩きます。

この東鎌尾根で一番長いハシゴです。下を見るとくらくらしてしまうので下を見ないで慎重に下りました。

イワベンケイ
燕岳周辺では見られない花がこのあたりでは見ることが出来ます。イワベンケイもその一つです。毎年、このイワベンケイを見ることが出来るのが楽しみです。

東鎌尾根上部
ヒュッテ大槍に荷物を預けて、身軽になり槍ヶ岳の穂先を目指します。東鎌尾根の高度感も増して、緊張感も高まってきます。

登頂
そして、ついに念願の槍ヶ岳登頂。皆さん、満面の笑顔です。燕山荘から見た時は、ずっと遠く小さく見えていた槍ヶ岳の頂上に自分の足で歩いて登ったこの達成感は登ってみないとわかりません。しかし、この皆さんの笑顔を見れば少しは伝わるでしょうか。

遠望、燕岳
槍ヶ岳の頂上からは小さく燕山荘も見ることが出来ました。ずっと歩いてきた山並みを見下ろしながら、皆さん口々に「ここまでよく歩いて来たなぁ」と自分自身に驚いていらっしゃるようでした。

ヒュッテ大槍

登頂後、ヒュッテ大槍で槍ヶ岳をバックに
ヒュッテ大槍は槍ヶ岳を望むには最高の場所といわれます。登頂後はヒュッテ大槍に戻り、みんなで登頂出来たことをお祝いし、今回のツアーは終了です。
ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。

天気にも恵まれ、紅葉の稜線歩きを楽しむことが出来ました。改めてこの表銀座のコースの素晴らしさを感じました。稜線の紅葉は終わりはじめ、少しずつ下へ降りています。
合戦尾根の紅葉はまだまだ楽しめます。

写真:河地清人 赤沼健至  文:河地清人

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