第1回「雷鳥観察会」を開催しました。
今年も、6月20~21日に燕山荘主催、第1回目の「雷鳥観察会」を開催しました。
メガネ岩近くで
燕岳山頂手前で
今年も講師は動植物に大変詳しく、日本野鳥の会会員でもあり、山岳ガイドでもある植松晃岳氏です。鳥や花の説明を聞きながらの登山はいつも以上に楽しい登山となりました。
【イワカガミ】
【イチヨウラン】
合戦尾根は、第3ベンチを過ぎると花が多くなってきます。今の時期はイワカガミがたくさん見られます。土壌の違いによるためなのか白っぽいものや濃いピンクのものまで、場所により色が異なっていました。
第3ベンチと富士見ベンチの間ではイチヨウラン、燕岳周辺ではこの辺りしかないようです。よく見ていないと知らないうちに通り過ぎてしまいます。
【ムラサキヤシオツツジ、オオカメノキ】
ムラサキヤシオツツジ、オオカメノキが並んで咲いています。ピンクと白のコントラストがきれいですね。これらの花は5月上旬に登山口周辺で咲いていたのですが、今は第3ベンチより上で見る事が出来ます。同じ花を何回も楽しめるのはいいものですね。
【登山道】
三角点を過ぎると雪は残っていますが、もうピッケルもアイゼンも必要ありません。逆に雪がなくなってきたのでストックの先端にゴムのキャップをつけていただけると、登山道が傷まないのでご協力をお願いします。
【イルカ岩で】
燕山荘に到着後、早速雷鳥を探しに山頂へと向かいました。すると、山頂の手前、その間、イルカ岩周辺の3ヶ所で雷鳥の姿を見る事が出来ました。その翌日には燕山荘の近くでも。
雷鳥のなわばりは約300メートルと言われていますが、燕岳~燕山荘には4つのなわばりがあり、その全ての雷鳥の姿を見る事が出来たようです。参加された皆様も大喜びでしたが、僕自身、一度にこんなにたくさんの雷鳥に出会えたのは初めてでした。
【燕岳山頂にて】
時おり、雨が降ったりガスに包まれたりしましたが、槍の穂先も少しだけでしたが見る事が出来ました。
【出逢えた雷鳥】
めがね岩近くでは、この2羽のつがいに会いました。メスは抱卵中のこの時期、エサを食べる時しか出てこないので、姿を見る事は多くありません。すぐに巣に戻らないといけないので、ものすごいスピードでエサを食べます。そんなメスの横でオスがしっかりと見張っています。メスは夕方に見かけることが多いです。
見張りをするオス
今回のツアーでは、オス4羽、メス1羽の雷鳥の姿を見る事が出来ました。どんなに人懐っこいといっても大勢で近づいたりするとストレスを与えてしまいます。双眼鏡などで観察したり、写真を撮る時は遠くから望遠レンズで撮るなど近づきすぎないようにしましょう。
【キツネの足跡】
キツネの足跡です。雷鳥の天敵です。キツネは人の捨てた食べ物や汁などにつられて、上まで上がってきてしまいました。雷鳥保護のためにも、また生態系を崩さないためにも動物に食べ物を与えたり、ゴミを捨てたり(ラーメンなどの汁もそうです。)しないことが大切になってきます。
【講義】
21日朝食後、植松講師撮影の写真を見ながら講義をしていただきました。
【燕山荘玄関前】
次の「雷鳥観察会」は6月27~28日です。
雨の多い季節になってきましたが、雷鳥を見るチャンスは多い時期でもあります。
コマクサも少しずつ咲きだし、咲く花がどんどん増えています。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
講師:日本野鳥の会会員 植松晃岳氏
ガイド:林 正美 河地清人
【雷鳥調査】
このツアーの翌日、雷鳥調査のために長野県環境部自然保護課の方と関係の方が燕岳にこられました。雷鳥が非常に少なくなり、絶滅する山域もある雷鳥の保護のために力を注いでいらっしゃる方々がいます。今回の調査はまだ続きます。今回見ることが出来た4組のつがいの子供たちが元気に育つように、今のままの自然を残すことの大切さを感じました。少しでも自然保護の役に立てるようにしていきたいと思います。
【6月24日の日の出】
日の出は4時半少し前です。これからは少しずつ遅くなっていきます。
【大天荘にスタッフが入りました】
6月22日、大天荘にスタッフが入りました。夜になるとここからも小屋の明かりが見えるようになりました。27日からの営業開始に向けて準備を進めていることと思います。
合戦小屋では、6月20日から名物うどん(山菜きのこ、カレー、味噌煮込み)の販売を、24日から名物のスイカの販売を開始いたしました。
第1回雷鳥観察会ガイド・写真: 林 正美 河地清人
文: 河地清人