2014冬季燕岳登頂ツアー第1回開催
12月21日から23日に燕山荘企画第一回目・冬季燕岳登頂ツアーを行いました。
前日、二つ玉低気圧が通過し、その後、厳しい冬山になりましたが、登る時は天気が崩れる前の一時的な穏やかな時に重なり、青空も見られる中での上山となりました。
【ワカンを付けて】
前日に降雪があったのでわかんを付けて登りました。これまでのラッセルは消えてありませんでしたが、わかんを付けていると潜ることもありませんでした。
【合戦小屋上部】
【合戦小屋で身支度を整えて】
二つ玉低気圧が通過した後の晴れ間は長くは続きません。合戦小屋を通過する頃より風雪が強くなってきました。特に三角点より上では森林限界となり風をよけて休める場所はありません。
天気が悪い時は、合戦小屋で服を着たり、アイゼンやわかん等装備のチェックをするといいと思います。吹雪の中での細かな作業や身支度は、大変困難になります。
【2日目】
ツアー2日目は、二つ玉低気圧が北海道沖で一つになり、厳しい冬型の天気図になりました。稜線上はものすごい風が吹き、気温もマイナス17℃となりました。外へ出られないので、小屋の中でロープワークや気象の話などの講習を行いました。
【雪洞堀】
午後からは雪洞堀にチャレンジです。外はものすごい吹雪でも、中へ入れば風もなく暖かく感じます。
この技術があれば、何らかのアクシデントで動けなくなってしまっても、この中でやり過ごせば何とかなることもあります。冬山において知っておくといい技術ですね。
【ワインで乾杯】
そして、夕食時はワインで乾杯。お酒を飲みながら、今回初めて出会った方同志ですが会話ははずみます。ツアー登山は山に登ることだけではなく、こうした出会いも楽しみのひとつです。
【下山日】
下山の頃より、天気が回復してきました。木々にはびっしりと霧氷が付き、その中を写真を撮ったりしながら下山しました。降雪直後が山々が一番美しくなります。
足跡のない雪面を歩いて行くのは気持ちのいいものです。あまりにも雪面が美しいので、その足跡を付けるのは何となく悪いことをしているような気にもなります。
トレースが消えてしまっていても、赤旗通り進めば前のトレースがあるので、それほど潜りません。
【登頂証明書】
登山口で「登頂証明書」をお渡しして解散となります。ツアーは、12時頃に登山口に着きますので、その日のうちに皆さん帰って行かれます。
燕山荘前での集合写真
【ツアーを終えて】
ツアーを終えて、燕山荘に戻ってくる頃には天気はすっかり良くなっていました。さっきまで皆さんと楽しく歩いていた登山道を一人で歩いていると何となくさみしい気持ちになります。
今回のツアーでは山頂には行けませんでしたが、参加された方が皆さん仲良く、心に残る楽しいツアーとなりました。ご参加頂いた皆様、どうもありがとうございました。
ガイド:井村克彦 河内清人
写真・文:河地清人