燕・歳時記 Special

燕山荘通信

合戦尾根登山道状況(5/9現在)と春山登山教室(第3回・第4回)


5月8日、燕岳はじめとする北アルプスから眺める西の空は、見事な夕焼けでした。コロナ禍の中、変わることのない自然の美しさを目の当たりできたその日は、心身ともに癒される実感が、ふつふつ湧きだしたような気がします。北アルプスの稜線は、まだまだ多くの雪を抱えています。しっかりとした雪山装備のご用意と、感染症対策を取られた上で、新緑香り始めた燕岳へ足を延ばされてはいかがでしょうか。

5月9日現在の周辺の積雪状況や、芽吹く花の様子を、第3回・第4回燕岳ビギナー春山登山教室の模様を通してお伝えします。

 

燕岳登山口

 

カラマツ芽吹き

 

タチツボスミレ

燕岳登山口から第一ベンチにかけての「カラマツ」が淡い緑色に染まってきました。「タチツボスミレ」は登山口近くに群生。加えてここ数日は、ウグイスの鳴き声も聞こえ、春の息吹が徐々に標高を上げてきているのが実感できます。

 

イワナシ

 

タカネザクラ

第一ベンチ~第二ベンチの足元には、可憐な「イワナシ」のピンクの花が咲き出しています。
「タカネザクラ」の開花はもう一息といったところでしょうか。

 

第二ベンチ

 

バイカオウレン

登山口から第二ベンチまでは雪はほとんどありません。第二ベンチを少し過ぎた辺りには、「バイカオウレン」が顔を出しています。

 

第三ベンチ

 

第三ベンチ~富士見ベンチ

 

第三ベンチ~富士見ベンチ

第三ベンチ~富士見ベンチ辺りで、所々地面や根っこは出ていますが、本格的な雪上歩行になります。晴れた日中の雪面は和らかめでも、朝早いうちは凍結しているため、主に下りでのアイゼン装着をお薦め致します。なお、つづら折りの登山道が続くため、アイゼンの歯をひっかけて転倒しますと、数メートル下の登山道に落下し、思わぬ怪我を引き起こすこともありますので、注意が必要です。

 

富士見ベンチ

 

富士見ベンチ~合戦小屋

富士見ベンチ~合戦小屋は、夏と同じルートを辿ります。赤い旗を目印に通行願います。

 

合戦小屋

 

合戦小屋(降雪時)

合戦小屋は、当面、土日の週末のみの営業となります。トイレはいつでもご利用頂けます。まだこの時期は、悪天候ともなりますと、雨ではなく湿った雪が降ることも珍しくありません。特に風雪が強い時は、この湿った雪による体温低下により、低体温症のリスクも高まり、加えて見通しも悪くなります。ご自身の技量に見合わないと思われる場合は、無理をせず、合戦小屋から引き返す事も念頭に、慎重な行動をお願い致します。

 

合戦小屋~合戦沢の頭

 

合戦沢の頭~燕山荘

 

燕山荘直下

合戦小屋から上部は、まだ1~2メートルの積雪があります。前歯のついたアイゼンとピッケルの携行をお薦め致します。雪面は、固いバーン、シャーベット状と様々ですが、一度転倒滑落しますと、簡単に自身を止めることは難しい状態です。「転ばずに歩く」を忠実に、足元のアイゼン歩行に十分注意願います。なお、いざ転倒した場合、ピッケルは止められる可能性はありますが、ストックではブレーキは全く利きません。

 

燕山荘玄関前・テント場

 

イルカ岩

 

燕岳直下

 

燕岳山頂より槍・穂高連峰と大天井岳方面

5月8日時点では、燕山荘~燕岳山頂の道中、半分は雪上歩行となります。殊、合戦小屋から上部は、まだまだ本格的な雪山です。繰り返しになりますが、前歯のついた10本歯以上のアイゼンとピッケルの携行をお勧めいたします。また、この時期の天候は、一度崩れますと雨になるか雪になるかにより、用意する装備など難しい判断を迫られます。必ず気象情報をご確認頂き、無理のない登山行動をお願い致します。

 

<燕岳ビギナー春山登山教室>

■3回目

 

担当ガイド:井村、榊

 

■4回目

 

担当ガイド:赤沼敏治、井村、榊

ご参加頂きました皆様、ありがとうございました。

写真と文:榊

————————————————————————

今後の春山登山教室日程は以下の2回となります。

第5回 2021年5月15日(土)~16日(日)
第6回 2021年5月22日(土)~23日(日)

春山登山教室詳細ページはこちらから

株式会社燕山荘 松本事務所

〒390-0874 長野県松本市大手2-3-10

0263-32-1535 0263-32-0898

pagetop.png