風薫る五月
風薫る五月も下旬に差し掛かり、燕岳登山口近くのカラマツ林は淡い緑色が旬の頃を迎えています。途中第三ベンチ付近(標高2,000m)でもウグイスの鳴き声が耳に入るようになり、合戦尾根全体が春の雰囲気を醸し出してきています。
ショウジョウバカマ(猩々袴)
足元中心に可憐な花々も色をつけてきています。ショウジョウバカマは、富士見ベンチ~合戦小屋の陽当たりのよい場所で目にすることができます。
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晴れて陽ざしのある日は、ゆっくり歩いていてもうっすら背中が汗ばむほどになりますが、燕山荘のある稜線付近は、悪天候時はまだまだみぞれや雪の降る、体感的には冬に匹敵する寒さに戻ることも珍しくありません。
5月23日未明は、みぞれ交じりの雪や雨となり、稜線にある樹木には雨氷が着氷していました。うっすら所々白くなる程度の雪で、積雪はありませんでしたが、こういう0℃前後の悪天候下で推移する中での行動は、風の強さ次第で低体温症のリスクが高まります。
春を感じる花々が道端に顔を出し、下界では日中30℃近い気温まであがるなど、稜線の寒さは想像つきにくいかもしれません。個人の技量により、用意する衣類や装備は違いますが、当面雪の天候でも耐えうるものをご用意頂くことをお薦め致します。
第三ベンチ~富士見ベンチより雪は出てきます。本格的な雪上歩行は合戦小屋から上部になります。早朝の上下山時、燕山荘付近は氷点下まで冷え込む日もあり、その際雪面は凍結しています。アイゼン等の携行をお薦め致します。
4月下旬~5月に6回開催しました燕山荘企画春山登山教室は、二日として晴れた日はありませんでした。強風・風雪・みぞれ・雨など様々な気象条件下でしたが、燕山荘ツアーならではの催行、全てにおいて貴重な体験になったのではないでしょうか。加えて、「転ばない」「滑らない」雪上での歩き方が基本であることを、繰り返しお伝えさせて頂きました。
第5回参加者の皆様
※記念写真撮影のため、一時的にマスクを外していますが、館内はCOVID-19対策のためマスク着用をお願いしています。
第6回参加者の皆様
※記念写真撮影のため、一時的にマスクを外していますが、館内はCOVID-19対策のためマスク着用をお願いしています。
ご参加頂きました皆様、ありがとうございました。
ガイド:井村、榊
5月22日、登山教室の雪上講習を燕山荘テント場裏にて行っている最中に、突如として現れました。すっかり夏の毛に衣替え。頼もしいオスとの出会いは叶ったのでしょうか・・・
登山道の雪融けが進むと同時に、これからハイシーズンに入る前、人通りの少ないタイミングを見計らって、登山道整備が進められます。合戦尾根の特徴である4か所の休憩ベンチの補修も併せて行いますが、直近は第一ベンチの改修です。
今後、整備中の際は何かと通行の支障をきたす場合がありますが、登山道維持のためにご理解とご協力をお願い致します。
写真と文:榊