6月の燕岳
日の長くなる6月の燕岳は、私の一押しのシーズンです。静かな雪山から動・植物が目覚め始め、にぎやかになってきます。登山口では日本三名鳥のオオルリの鳴き声とまばゆい新緑、燕山荘直下まで大声援を送ってくれるウグイスやいろんな小鳥のさえずり、合戦小屋上部の残雪、雷鳥の恋のシーズン、さわやかな気候、ドキッとするような夕日など、のどかな山旅ができる6月の良さは意外なほどに知られていないのが残念です。
燕山荘の東側稜線には、風の強く雪が飛ばされる西側稜線よりも残雪が多くあります。燕山荘の周りを一回りすると西側のハイ松が茶色くなっているのはハイ松の霜焼けです。風が強く雪が飛ばされて雪面から出てしまったところは寒さで霜焼けになっていますが、暖かくなると綺麗な緑に戻ります。
【合戦尾根】
▲合戦小屋上部、振り向くと槍ヶ岳が小さく顔をのぞかせます。
▲合戦小屋から続く笹の上を歩いた雪面は消えて、今は夏道を歩きます。
▲ここからアイゼンはいりません。雪面の無いところでアイゼンを履くと登山道が傷つきます。
ゴリラ岩の直下を歩くと燕山荘玄関です。5月下旬からスタッフは合戦小屋までスコップを持って毎日雪面を切りに出かけます。アイゼンは登山道や木の枝を傷つけたりしますのでいたわって歩きましょう。6月10日頃までは雪面が凍るのでアイゼンが必要です。気温は朝夕マイナスになります。
【6月5日土曜日の夕景】
▲日没後、槍ヶ岳から伸びるあかね雲
天気が悪かった後は素晴らしい夕日やご来光が眺められます。日の出前30分と日の入り後30分までは雲が上空にあると真っ赤になります。見逃さないようにしましょう。
【野鳥】
▲ウグイス ウグイスのすばしっこさには手を焼きます。
きちんと鳥さんを撮るには熟練不足です。まだまだ力不足です。
足元をよく見るといろんな花たちが咲き始めています。花は心を癒してくれます。
【コロナ対策】
コロナ感染症対策として食堂も寝室もゆったりしています。寝室はかつて6人ほどのスペースに今は真ん中に仕切りを入れて2名様仕様です。
燕山荘グループでは、「燕山荘グループのCOVID-19対策」を実施し、安全にお泊りいただけるように努めております。
ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
登山は免疫力を高めます。感動や達成感でストレスが消えるからと言われています。6月の燕岳は魅力的です。その年にもよりますが梅雨の影響は少ないような気がします。天気予報をご覧いただきながら予定を立ててください。ただ、計画をされたからといって、けっして無理をして登らないようにしましょう。酸素の薄い高山では体調不良は治ることは稀です。途中でも体調が思わしくない場合は、迷わず下山されることをお薦めいたします。
写真・文 赤沼健至