GW 北アルプス2500m以上の稜線は「冬山」です
GWが始まりました。この時期は、よく「春山」と言われていますが、北アルプス2500m以上の稜線ではまだ「冬山」です。確かにポカポカな天気もありますし雨降りになることもありますが、吹雪くこともあります。雪は年末年始より硬くしまっていますので滑り出すと止まりません。積雪期の山歩きでは、「転ばない」ことが一番の危険防止です。今年は春が早いのか鶯が鳴き楽しい山登りです。第三ベンチの下まで雪がありませんが、冬山に登る心構え、装備、行動食での登山をお願いいたします。
【オオミスミソウ(雪割草の仲間)】
有明荘の入り口の土手に、今年も雪割草のオオミスミソウが咲いています。冬山の燕岳に登る前に咲いてくれて心が癒されます。1400メートル付近の有明荘周辺はやっと春の兆しが見えてきました。
【合戦小屋上部の合戦尾根】
今年の雪の少なさには驚きます。合戦小屋に着くと、何時もならば屋根から雪が繋がっているのに小屋開けは簡単でした。まだ本格的な営業はできませんが、コーヒー、飲料水、カップ麺の販売をしています。熊さん手ぬぐい、バッチも人気です。
※お願い
合戦小屋の小屋開けをした際、入り口の雪の中から焚火の後や生ごみが置いてあるのが見つかりました。非常に残念であってはならないマナー違反です。山では、「持ち込んだものは持ちかえる」ルールをよろしくお願いします。
【合戦尾根】
入山時には雪がザクザクで歩きにくかった登山道も、大勢の登山者の方たちが歩いていただいたおかげで、歩きやすくなっていました。
【アイゼンの着脱】
雪が少ないため、アイゼンの着・脱は燕山荘直下でお願いいたします(目印の看板があります)。登山道が壊れないようにご協力をお願い致します。燕岳頂上までアイゼンは必要ありません。
▲燕山荘直下から雪がありません。
【燕山荘到着】
▲燕山荘ツアーの皆さんは玄関前に荷物を置いて頂上アタック。晴れていたらその日に上るセオリー道理です。
【残雪の少なさにびっくり】
テント場の雪の量は5月下旬並み。燕山荘の玄関前も驚くほどの少なさです。
【夕日の位置】
年末年始には槍ヶ岳の近く笠ヶ岳に夕日が沈んでいましたが、もう水晶岳に沈むようになってきました。動きの速さにも驚きます。日の入りは6時。
【燕山荘ツアー 元気よく下山しました】
朝気温は4℃ほどでしたが雪面は凍っていました。雪の少ないときは大きな事故になることが多いので慎重に下山です。4月、北アルプスはまだ冬山です。ここでは「春山」という言葉はあてはまりません。装備は万全に。燕山荘付近の「春」は6月の下旬から7月です。
【高瀬川渓谷の雲海】
高瀬渓谷に雲海が入るのは秋口に多い現象です。気温の温度差が今日と同じなのか珍しい現象が見えました。
【新商品】
象嵌は正倉院の時代からある日本の伝統文化です。友人の木工作家大竹さんが作ってくださいました。
冒頭にも書きましたが、まだまだ冬山です。合戦小屋から上は森林限界を越えますので、風が直接体にあたります。雨の時は要注意です。低体温症にならないように、体をぬらさないように気を付けましょう。
写真・文 赤沼健至