3年ぶりの親子ファミリー登山スクールを開催しました
燕山荘のファミリー登山スクールは、今年3年ぶりに開催することが出来ました。感染症対策の兼ね合いで2年間中止していましたが、19回目を迎えた今年度は、定員を減らし1回の開催としました。開催を心待ちにされていたご家族もいらっしゃいました。
「3年待ちました。3年前は定員一杯になり、2年前からコロナで中止、今年やっと参加できました。」
「子供を登らせたかったけれど、自分たちだけでは不安でした。今回ツアーに参加して歩き方がとても勉強になりました。」
お客様の中には2,000m以上が初めてのご家族もあり、よりゆっくり登りました。当日はあいにくの雨となってしまいましたが、雨の日ならではの登り方とレクチャーを行いながら上山しました。
▲参加のお客様とガイドスタッフ
お子さんは高度順化がしにくく高山病になりやすいため、上山時はとにかくゆっくり、を心掛けます。水分補給も大切です。同行していただいた国際山岳医の千島康稔先生によると、各ベンチで子供さんの場合は100㎖、大人の場合は250㎖の水分摂取を推奨しているとのことでした。お子さんは体が小さいため、とにかく歩幅を小さくして疲労が蓄積しないように登っていきます。
【合戦小屋到着】
合戦小屋に到着!ご褒美に合戦小屋名物のスイカをいただきました。疲れた身体にしみわたります。また少し体が冷えたので、温かいうどんもいただきました。高度順化のために1時間30分ほどゆっくり休憩します。コロナ前は、合戦小屋でご家族ごとに昼食を作って食べていただきましたが、今般の状況から、各自でお昼ごはんを持参いただきました。
昼食後、燕山荘グループ代表赤沼の「クマさんと共存」の話を聞いていただきました。
燕山荘直下は秋の花が多く、トリカブトも見ごろです。
【燕山荘到着】
約7時間かけて、山荘に到着しました。雨の中、皆さん本当によく頑張りました。途中疲れていたお子さんも、到着した途端元気に。天候が回復せず登頂は翌日に期待。
代表赤沼の雷鳥の話(地球温暖化のため、雷鳥は保護色になっているのに、周りに雪がないため逆に目立って天敵に狙われやすくなっていること、日本では2,000羽もいない希少な鳥であることなど)やスライドを使った山の四季の話を聞いていただきました。知的好奇心旺盛のお子さんが多く、話の途中でもたくさんの質問をいただきました。登山を通して自然保護と向き合う機会にしていただけると嬉しいです。
【2日目】
二日目も燕岳登頂は厳しい天候となりましたので、今回は断念。千島先生から呼吸法や水分の摂り方についてお話いただきました。
朝ごはんを食べた後、ご家族でケーキセットを楽しんでいただきました。
【登頂証明書授与式】
今回は、雨の中にもかかわらず、燕山荘までよく頑張りました。元気な笑顔での授与式になりました。
下山時燕山荘前で
出発の時、燕山荘西側に咲いているコマクサを見てから下山しました。
【有明荘にて解散】
最後まで雨でしたが、全員で無事に下山することが出来ました。ファミリー登山スクールで、一人でも多くの方に山、自然の素晴らしさに触れていただきご家族で登山を楽しんでいただけることを願っています。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
ガイド: 林正美 天渓代表赤沼敏治 赤沼大輝 榎本健太
国際山岳医:千島康稔氏
写真:林正美 赤沼大輝 河地清人
文:赤沼大輝
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夏休み期間中多くのお子様が登ってこられていますが、お子様の水分不足による高山症状(発熱、頭痛、食事が食べられない、吐き気など)が多く見受けられます。ベンチごとに水分を摂ることを心掛け、お子様の場合は、特にゆっくりと登る、休憩をする、ことを心がけましょう。ゆっくりと登ることで高所に順応することができます。
また、山小屋に到着されたら1時間は横になって寝ないようにしましょう。呼吸数が落ち酸素不足による高山症状が出てしまいます。これは大人の方も同様です。
山に登られる前に、燕山荘HP「初めて北アルプス・燕岳へ登る方へー赤沼健至登山マニュアル」をご一読いただき、体調を万全に山をお楽しみください。