自然の営み
10月6日(金)午後12時半現在の気温:12℃ 天気:晴れ
北アルプスの標高が高い山々から雪の便りが届き、季節は一気に変わり始めました。
登山される方は、燕山荘や大天荘のブログを参考に天候状況を確認して適切な装備でお越しください。
標高1380mのここ有明荘も今朝5時の気温は5℃で、この秋初めて玄関先のストーブを点けました。露天風呂から立ち上る湯気が外気温の低さを物語っています。
▼立ち上る湯気
こうして朝晩冷え込んでくると紅葉の進行具合が気になり始めます。
最低気温が8度を下回ると 紅葉が始まり、5~6度で急速に進むといわれています。
有明荘敷地内の「有明もみじ」は今日現在まださほど色付いてはいませんが、例年見頃は10月中旬から下旬で、これから日々赤くなっていく様子が楽しみです。
▼今日の有明荘
▼写真:昨年2021年10月中旬頃
▼【有明もみじ】有明山の麓にだけ生息するもみじで、昭和天皇が命名したと言われています。秋には燃えるような赤色に変化していきます。葉っぱが9つに裂けているのが特徴です。(写真:2020年10月中旬撮影)
ところで、「秋になるとなぜ紅葉するのか」と疑問に思ったことはありませんか?
『なぜ葉が赤くなるのかも知らず、「きれいね~!」と秋に浸っているそこのあなた、知らないでいるとチコちゃんに叱られますよ!』(※注)という声が聞こえてきそうです。
私なりに色々調べてみましたがクロロフィルとかアントシアニンとかカロテノイドとか難しそうな単語がたくさん出てきて、読むのもちょっと憂鬱になったので、比較的わかりやすい文章を抜粋して簡単にまとめてみました。
紅葉は、木が冬に向けて「葉を落とす前の準備」であるという事をまず知っておかなければなりません。
本来、緑色の葉は光合成でエネルギーを生み出して枝や幹に栄養素を送る重要な役目を担っています。でも同時に呼吸もするのでエネルギーを消費しています。
秋になると陽射しが弱くなり、光合成で生み出すエネルギーより消費するエネルギーの方が多くなってしまうので、自ら葉を落とし、エネルギー消費を抑えてひっそりと冬を過ごすのです。
そしてその前段階として「紅葉」という現象が現れます。
当然、幹や枝は葉を落とす前に、葉の緑色の成分(葉緑体)に含まれる栄養を出来るだけ回収しようとします。そして緑色の成分を枝に奪われた葉は緑色の色素を失い、残された赤い色素や黄色い色素が目立つようになり、それが私たちの目に「紅葉」「黄葉」として映るという訳です。葉の持つ色素や成分によって赤や黄などの色の違いが出てくるのです。
▼色付き途中は色もまばらでこんな感じ(写真:2021年10月上旬撮影)
春から夏には、さして注目を浴びる事もなく淡々と樹木の生命を維持するために光合成を繰り返し、最後は身を削って最後の栄養素まで幹に分け与える献身的な緑色の葉…最後の晴れ姿が「紅葉」なのかと思うと、皆からカメラを向けられ、賞賛され、誇らし気な紅葉は、役目を全うした者に与えられるにふさわしいものかもしれません。
そして、自ら落葉し来年の命に繋げる・・・植物の生き残りの為の知恵は実に合理的で緻密にできているものです。
こんな自然の営みを知らずにいたらチコちゃんに「「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られても仕方ないですね。
(猪股ひ)
【燕岳登山口駐車場ご利用についてのお願い】
週末は、燕岳登山口付近の駐車場は大変混雑いたします。安曇野市内の登山者の方専用駐車場に車を停め、バス、タクシー等公共交通機関のご利用にご協力をお願いいたします。
※(注)【チコちゃんに叱られる】NHKのクイズ形式のバラエティー番組。5才のチコちゃんが素朴な疑問を問いかけ、知らないでいると、チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られます。いままで考えたこともなかった疑問と情報が満載の人気番組です。