水場閉め作業。
さかきです。
2023年度の大天荘の営業、残り2週間足らずとなりました。
山小屋の宿命、営業と同時並行で、越冬するための準備を進めていく頃合いです。
今日は、山小屋の生命線とも言うべき“水”、その水源地に赴き、水場の閉め作業に行ってきました。
水源地への道中から見る槍・穂高連峰。
改めて眺めると、槍穂の稜線は半ば厳冬期仕様といった感が否めません。
大天井岳の南側斜面一帯に生えるダケカンバはほぼ落葉。ハイマツの緑とのコントラストは、まさに“晩秋の色”です。
水源地から見上げる槍ヶ岳。その脇に立つカラマツの黄葉がきれいでした。この光景を見ると、「もうすぐシーズンも終わりだな・・・」少々物寂しさを覚えます。
毎年の事ながら、道なき道に這わせては繋ぎ合わせ、シーズン中沢山の恵みの水を供給してくれるパイプラインは、越冬するために要所巻き取り、雪に流されないように太めの幹にロープで固定します。
足場が不安定な為、事故怪我ないように慎重な作業が求められます。
作業中に垣間見る穂高連峰が、清々しい・・・
お昼ご飯は、スタッフが作ってくれたお弁当を頬張ります。
今日は日中風がほとんどなく、10月も下旬のこの時期にしては、比較的暖かな陽気だったこともあり、初冬の槍ヶ岳を眺めながら食べるランチタイム、とても贅沢なひととき。たまにはいいですよね。
午後には一通りの閉め作業を終え、最後に水源地に礼を尽くし、小屋への帰路に就きました。
今年は、残雪が極めて少なかったことに加え、7月の梅雨明け以降9月いっぱいまで、まとまった雨が降らないという二つの影響を被り、水源地の流量は極めて細り、水不足に陥らないか、だいぶ気を揉みました。
結果、供給に支障をきたすことなく無事にシーズンを終えられそうな今、その点ではホッとしているのが正直なところ。
自然の影響を多分に受けやすいのが山小屋の運営。そんな色々な出来事が想い出となって走馬灯のように去来した、今日一日でした。
今年も美味しいお水をありがとうございました。