入山前は気象情報の確認を。
さかきです。
登山中において最も注意を払わなければいけない気象条件の一つが雷です。
特に北アルプスをはじめとした3,000m級の稜線上においては、身を隠す場所がほぼ無いに等しいため、ヒト一人が立っているだけで避雷針の役目にならないとも限りません。
今朝は、時間にして約1時間程でしたが、急な雷雨に見舞われ、以降急速に風も強まりだしました。雨はその後日中にかけ断続的に降り続き、風は終日10~15m/s吹き続けました。
昨日とは打って変わってテント場は一人一張のみ。ちなみに昨日から連泊されています。
今朝の悪天候時、昨日から張られていたテント泊のお客様には、小屋に避難される方、急いで撤収中にテントが飛ばされてしまった方等々、突然の雷雨と強風で一時騒然となり、パニックになられている方が見受けられました。
テント泊ご利用の方や通過立寄りの方も含め、登山中雷に遭遇し、近くに山小屋等の施設があった場合は、躊躇なく避難利用されて下さい。
雷が鳴っている場合は、雲全体が帯電している可能性があります。つまりは雷雲の中に身を置いている事を意味します。いつ被雷してもおかしくない状況です。先に申し上げた”避雷針”になりかねません。
稜線上で雷に遭遇した場合の対処は、ここで述べるよりもインターネットや書籍等でより詳細に情報を得ることが可能な時代です。今後の安全登山の為にも是非一見頂ければと思います。
山の天候は、一度下り坂になると、麓では考えられないような急変となることは珍しくありません。それは、日常生活では考えられないような厳しい自然環境に遭遇する“登山というアウトドアスポーツ”に自らの意思で体験することを意味します。自己責任の世界でもあります。
それだけに、登山に限らず、自然に関わるアウトドアスポーツをされる前には、必ず種々の気象情報をご確認頂き、どういった天候が予測されるか確認頂きますよう、お願い致します。
特にテント泊で登山をされる方は、麓のキャンプ気分でお越し頂くと、場合によっては今朝のように厳しい状況に身を置かれた場合、対処が難しくなり、時としては命のリスクを伴うこともありますので、十分ご注意頂きたいと思います。
山での困難や遭難の遭遇が少しでも軽減されますよう、安全登山を切に願います。
夕方、気づけば、東の空に虹が出ていました。
一日も早い”夏空”復活を望みます・・・