夏雲踊る。
昨日とは違い、ひんやりとした朝を迎えました。そして東の空にはオリオン座がきれいに輝いていました。今日こそはヘリの荷上げはうまくいくぞと嬉しくなりました。気温が高いとガスが湧きやすくなり、ヘリコプターによる荷上げも困難になってしまうので、この気温が低いのがうれしいものでした。そして、朝食出しの片付けがまだ終わらない頃から、待ちに待ったヘリコプターの荷上げが始まりました。
荷上げが始まる頃、槍ヶ岳の奥には発達した積乱雲が見られましたが、この周辺の天候は安定していて、全便無事に荷物が届きました。今の時期はお客様が多くいらっしゃるので荷上げ物資の量はとてもたくさんになります。男性スタッフ総出で力を合わせて大量の荷物を運びました。一方、その間に女性スタッフは客室掃除を進めてくれて、10時頃には新たなお客様を迎える準備が整いました。ヘリコプターの荷上げ時はまさに総力戦となるのですが、スタッフの絆がよりいっそう深まります。
ガスの湧き上がりは遅かったのですが、やはり日中は気温が上がって小屋周辺はガスに包まれてしまいました。しかし、夕方、気温が下がりだしてくるとそのガスも取れ、その向こうにはもくもくと湧き上がる入道雲があちこちに見られました。そのうちの一つ、長野市方向に見られた入道雲はカナトコ雲にまで発達していました。その下ではきっと激しい雷雨となっていたことでしょう。
安曇野側に広がる積乱雲も美しかったのですが、その反対方向の日の入りもまた美しいものでした。日の入り時刻は思った以上に早くなっていて、18時20分頃でした。
日が沈んでも空高くにある雲はまだ太陽の光を受けていて、しばらく赤く染まっていました。その光景がとても美しく、日が沈んでからもしばらくは空を眺め続けてしまいました。
もくもくと沸き立つ雲の間からは街の灯りが見られました。日に日に日の入りが早くなっています。子供の頃、日の入り時刻が早くなってくると夏休みの終わりが近いことがわかり、なんとなくさみしくなったことを思い出します。
河地