ライチョウの雨宿り。
今朝は安曇野側には雲海がびっしりと広がっていました。雲も多くご来光は期待できないのかなと思っていたのですが、雲の隙間から太陽が顔を出してきました。
その太陽はすぐに雲に隠されてしまいましたが、それから見られた光景が感動的なほど美しいものでした。こんな光景はそうそう見られるものではありません。ただ、この雲海により、昨日、途中で終ってしまったヘリコプターによる物資輸送は出来ませんでした。
雲の多い日の、紅葉した山肌の色は晴れた昨日とはまた違う色合いになり違った美しさがありました。
昨日現れたレンズ雲はやはり今日の天気の崩れを教えてくれたものだったのでしょうか、10時頃になると怪しげな灰色の雲が多くなってきて、やがて風も強まり雨となっていきました。
今日は小屋周辺に、をこのライチョウの家族は一日中いて、多くの方がその姿を見ることが出来たようです。この三羽の兄弟が見ている先にはナナカマドの赤い実がありました。
どうやら、このナナカマドの実を目当てにここへ(テント場)やってきたようでした。落ちている実を食べたり、木の登って揺れる枝のうまくつかまりながら身を食べていました。時折落ちそうになり羽をばたつかせたりしていました。ナナカマドの実はライチョウたちにとって、これからは大切なエサとなっていきます。
午後になると今度は玄関前へとやってきました。その頃には強い雨が降っていたのですが、ベンチの下に入り、雨宿りをしていました。ちょっとおもしろい光景でした。
雨宿りをした後は、みんなで一斉に移動を始めました。こうなるとどれが親なのかわかりません。ただ面白いのは体は大きくなっても鳴き方はまだ子供のままだったことです。この6羽は恐らくこの周辺で生まれたもので、生まれてすぐのまだ小さいころから見ている6羽だと思われます。全部がここまで大きくなるのはなかなか珍しいことだと思います。エサが多かったからなのでしょうか、そのへんのことはよくわかりませんが、これから迎える厳しい寒さの中、元気に育ってほしいものです。
河地