〈8月1日の有明荘〉
普段は温泉旅行のお客様など観光目的でお越しになる方もいらっしゃるのですが、この時期の有明荘は登山でお越しになるお客様が90%以上を占めます。その雰囲気はさながら「電気と温泉のある山小屋」といった感じでしょうか。
その皆さんが目指す燕岳は、今、コマクサの季節…毎日のように下山して来たお客様が「コマクサきれいでした!」と嬉しそうに話してくださいます。
コマクサにはかなわないかもしれませんが、標高約1400mの有明荘付近でも賑やかな季節の中で、声を潜めるように夏の花がひっそりと咲いているので、紹介したいと思います。
まずは「タマガワホトトギス」
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色がヤマブキの花のように黄色で、そのヤマブキの名所である京都・玉川の地名をとって付けられた名前だそうです。また、花の斑紋が鳥のホトトギスの胸の模様に似ているからとも言われています。毎年この時期に咲きますが、いつ見ても不思議な形をした花だなぁ…と思います。
続いては「ナツノタムラソウ」
シソ科の花です。とても小さいのですが、花びらに繊毛がたくさん生えているのが特徴です。雄蕊が花冠から飛び出しているのがかわいいですね。
そして、私達は「まだまだ夏!」と思っていますが、晩夏に咲く花もちらほら咲き始めています。
名前に「秋」が付く「アキノキリンソウ」
「ゲンノショウコ」もすこしずつ顔を出し始めました。
みんな、小さくて決して派手ではなく、「ひっそりと」という言葉が本当に似合う花たちですが、賑やかなこの季節の中だからこそ、その楚々とした姿に心惹かれる花たちでもあります。
(猪股)