青空は見えなくても。
今日も梅雨空となってしまいました。しかし、明け方は細かい雨が降っていたものの、その後は雨が降る事もなく、合羽を着なくてもいい一日でした。
御来光を見る事はできませんでしたが、皆様が朝食を終えられた頃よりガスが切れて山頂が姿を現わしました。雨上がりの燕岳のしっとりとした姿はこれまた美しいものがあります。皆さん大喜びでさかんにシャッターをきられていました。
そして何より美しかったのは大天井岳から槍ヶ岳方面にかかる雲でした。ちょうど縦走路と同じ位の高さで横に広がる雲は普段はあまり見る事が出来ない光景でした。青空が見えなくとも梅雨時にはこういった美しい光景に出会えることもあります。山で毎日生活している僕らでも今日のようにたまにしか出会えない光景に出会えると落ち着いて小屋の中にいられなくなり、カメラ片手にあちこち走り回っていました。
東側には今日も濃い雲海が広がっていました。その雲の色と日に日に緑が濃くなっていく合戦尾根の色のコントラストがなんともいえない美しさでした。雨上がりだった事もあり、その木々の瑞々しさがより一層際立っていました。これも梅雨の良さではないでしょうか。
合戦尾根の登山道上には雪はなくなりましたが、小屋周りにはまだ雪が残っている所があります。お花畑もだいぶ出来てきて、その背景にはその雪が一緒に写真に写りこみ、ちょっといい写真が撮れたりもします。この雪ももう少ししたらなくなっていくことでしょう。
小屋明けから行なってきた雪かきもこれが最後となります。夏道開通のための雪かきです。いつになく雪解けの早かった今年は、除雪作業も例年よりかなり少なくなりました。この場所の雪かきも例年であれば数日かかるのですが、今年はあっという間に終わってしまいそうです。
河地