明日下山します。
昨日お泊りの方をお見送りした後は早速、最後の小屋閉め作業へと入りました。最後の夜は今シーズンの思い出にひたってといきたいところですが、やはり無事に下山するまでは落ち着かないものですね。
このヘリポートからの写真が今年は一番多かったかもしれません。今年は雪のないまま小屋閉めとなりそうです。こんな年もあるものなのですね。雪がないといまいち小屋閉めの気分になってきません。
今日は雲とガスに覆われ、展望のない朝を迎えましたが午後になって来るとだんだんと周りの風景が見えるようになってきました。そして、湿ったガスが流れていたおかげで木には美しい霧氷が付いていました。
片づけ作業でなかなか忙しい一日でしたが、雷鳥の姿にはほっとさせられました。おそらく先日もいた雷鳥でしょう。今日はナナカマドの木の上に登り、もう実がなくなってしまったので木の芽のようなものを食べていました。雪がないので相変わらずよく目立っていました。例年の小屋閉めの頃と言うと雪があるので雷鳥は小屋周りより少し標高を下げた所でよく見かけ、小屋周りではほとんど見かけないものですが、雪がないおかげでこの時期に小屋の近くでも見かける事ができたのでしょう。明日から僕たちはここからいなくなってしまいますが、雷鳥たちには全く関係のない事なんでしょう。この厳しい大自然の中で雷鳥達はたくましく生きているのですね。
太陽が西に大きく傾きかけた頃、燕岳はセピア色に染まりました。この時間帯の山肌の色が僕はけっこうお気に入りです。最終日に美しい燕岳を見る事が出来、とても幸せな気分でした。
その夕陽に霧氷も照らされ、美しく輝いていました。素敵な夕暮れとなりました。
今シーズン最後の夕陽です。スタッフの皆それぞれどんな思いでこれを眺めていたのでしょうか。長かった今シーズンも
これで終わりです。
夜になると満月に近づいてきた月が登ってきました。霧氷がその月明かりに照らされ、キラキラと美しく輝いていました。ここには僕達だけしかおらずとても静かな夜となっています。明日からは山は自然本来の姿に戻っていくのでしょう。
今シーズンもこのブログをご覧いただきましてありがとうございました。冬期営業の始まる12月まで少しお別れとなります。その頃には真っ白な燕岳の写真をお届け出来ることかと思います。
明日の朝下山します。
河地