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燕山荘

季節は少しだけ進み出しました。


連休中日の今日も多くの方にお越し頂きました。きっとその多くの方々は初冬の雪のある山を楽しみにされていたことでしょうが、ここ数年では最も遅い冬の歩みのために雪が全くなく、少し残念だったかもしれませんが、どんよりとした空とは逆にあちこちから楽しそうな声が聞え、11月の登山を楽しまれているようでした。山は季節それぞれの変化があって、いつ登っても楽しいものですね。

御来光を見ようと外には多くの方々が出ておられました。しかし、残念な事に雲に阻まれ、御来光は見る事ができませんでした。

日中はガスに包まれ、展望もなく、プラスに届かない気温とあって肌寒い一日となりました。この先の天気予報を見ていると曇りがちな天気が続くようで、今日のこの低い気温といい、ようやく冬が歩きだしたのでしょうか。季節の歩みは遅くとも進んでいくものですね。

今日も昨日までのように雲海が広がり続けました。

この展望のない天気の中、みんなを楽しませてくれたのは、この一羽の雷鳥でした。ナナカマドの木の下で餌を食べ終わった後、半日近く同じ場所にいてくれたので、シャッターチャンスがたくさんありました。木の枝の間にいて、なかなかうまく写真が撮れなかったのですが、その方が雷鳥にとっては外敵から襲われる危険が少なく安心していられたのでしょう。


いよいよここにいるのもあと三日となってきて、本館にも雨戸を入れました。雨戸を入れる作業が最も小屋閉めを感じさせる作業となります。そして、午後になるとガスがきれて燕岳も姿を現わしてきました。雨戸の入った山荘はなんとなくさびしげな光景でした。

また、ガスの中でしたが槍ヶ岳も姿を見ることが出来ました。小屋の中でのんびりされていた方々も一斉に外へ出て行かれました。展望が見られる望みの少ない天候だったので、これには皆さん大変喜ばれているようでした。皆さんがこの景色を見る事が出来て、なんとなくうれしくなりました。燕山荘から見る展望は少しでも多くの方に見て頂きたい素晴らしいものです。

食堂には冬の間、雪の重さから小屋を支える支柱が立ち、いよいよ雪の季節がやってきた事を感じさせられます。また、オーナー赤沼のホルンの演奏も今シーズンが最後となりました。これを楽しみに登って来られる方も多くいらっしゃいます。皆様よりホルンの演奏とお話しを聞く事が出来て良かったという声を多く耳にします。今シーズンもこの演奏とお話しをお楽しみ頂きましてありがとうございました。
河地

株式会社燕山荘 松本事務所

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