待望の晴れ。
ようやく晴れました。ここ数日は秋雨前線により、稜線上は強い風と雨に見舞われ、ほとんどの方が縦走を断念され、残念そうに下山される方の姿を多く見受けました。でもこの天気の中、稜線を歩くのは低体温症の危険もあり、懸命な判断だったと思います。連日の風雨でなんとなく暗い気持ちになっていたのですが、今朝の太陽の光をまさに希望の光といった感じでとてもうれしいものでした。
その朝日が山肌を照らし出すと昨日までとは違いすべてがいきいきとして見えてきました。
朝のうちはまだ前線の名残があって、稜線上はまだ強い風が吹いていました。その風によって作られる面白い雲が穂高の上に現れていました。ちょうどそのころ、雨によって水曜日から伸びていたヘリコプターによる物資輸送が行われていました。この刻々と変わる空の様子を見ながら、外にいられてちょっと得したような気分でした。そして、物資も無事に届けられとても気分のいい朝でした。
そして、太陽が高くなってくるときれいな青空が広がり、スタッフの誰しもがとてもうれしそうでした。やっぱり晴っていいものですね。この数日で山肌の色も随分と黄色くなりました。今日で8月も終わりですが山の秋の訪れは思った以上に早いものです。
そして日中は週末とあって、多くの方々で賑わいました。多くの方々にこの素晴らしい景色を見ていただくことが出来てなりよりです。
午後は少し雲が多くなり、日の入りは見られませんでしたが、日が沈んだ後、空がすごく赤く焼けました。槍ヶ岳の上の空もきれいな赤色になりました。夜になって外気温は6度台まで下がってきました。本当に寒くなったものです。
夏の短期スタッフの二人が今日期間終了となり、下山していきました。たった一か月でしたが夏の最盛期とあり、密度の濃い毎日でもっと長く一緒にいたような気がして、今日のお別れは本当にさびしい気分になりました。山小屋はひととひとの出会いの場所だと改めて感じました。
河地