憧れの槍ヶ岳
9月8日(日) 午後6時 天気:晴れ 気温:23℃
『一生に一度は富士山に登りたいというのが庶民の願いであるように、いやしくも登山に興味を持ち始めた人で、まず槍ヶ岳の頂上に立ってみたいと願わない者はないだろう。』
これは深田久弥さんが書かれた小説『日本百名山』の中の槍ヶ岳についての一文です。
このブログを読んでいる方の中にも槍ヶ岳に憧れている方は大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
私自身、今年の5月に春山登山教室で約10年ぶりに登山をし、燕山荘から人生で初めて槍ヶ岳を見る事ができました。
はじめて槍ヶ岳を見たあの日から約4ヶ月。
2泊3日で有明荘から大天井岳を経て東鎌尾根に至る表銀座ルートを縦走し、憧れの槍ヶ岳へ行ってきました。
このコースはしだいに近づく槍ヶ岳を見ながら稜線を歩いていくのが魅力で、北アルプス縦走コースの中でも人気が高いです。
東鎌尾根からは地図にも記載がある通りハシゴ、鎖、階段の連続で、今までの稜線の緩やかな稜線からワイルドな山道へと変化していきます。
ヒュッテ大槍を過ぎたら山頂まであと少し。
槍ヶ岳を正面に見ながら険しい道を歩き続けます。
強風の中、最後の長いハシゴを登りきり辿り着いた山頂。
前日の雷雨から一変、360度の大パノラマを見渡せる天気に恵まれました。
振り返れば今まで歩いてきた長く、そして険しかった東鎌尾根。
別の方角には、燕山荘からは見えない穂高へと続く大キレットなどの自分にとって未知な道。
5月に初めて槍ヶ岳を見たときはとても雄大で、そこがゴールのように感じていましたが、
今回頂上に立ってみて今まで知らなかった新しい道、新しい山が見え、また新しいゴールを見つけることが出来ました。
そう思うと山登りにゴールというものはないのかも知れませんが、スタートというのなら、まずは気軽に燕山荘まで登ってみてはいかがでしょうか。
元木