冬期営業最終日。
早いもので今シーズンの冬期営業も最終日を迎えました。雪が非常に少ない中でのスタートでしたが日に日に積雪量は増えていき、例年並みよりちょっと少ないくらいまでの積雪量になりました。4回行われた冬期登頂ツアーも無事に全て終えることが出来ました。
今朝はマイナス15℃まで気温は下がり、風もあって非常に寒い朝となりました。そんな中皆さん下山されていかれました。冬山は天気による差がとても大きくなります。ポカポカ陽気で無風に近いような日もあれば、風雪が厳しく途中で断念せざるを得ない日もあります。様々な天候を経験して冬山の次なるステップへと進むためには少々厳しい天候を体験するのも必要なことかと思います。
お昼ごろより、天気は回復しだしてきて、槍ヶ岳も姿を現してきました。ただ、風は非常に強く、激しい雪煙が舞い上がっていました。写真を撮っているこの場所でも強い風が来ると雪が舞い上がり、とても目を開けていられない状態でした。雪煙は外から見ている分にはいいですが、その中にいるととても大変です。
昨夜の降雪は少々まとまったものとなり、小屋はさらに雪にすっぽりと包まれてきました。雪に包まれた方が保温効果もあって暖かくいい面もあります。
今年も玄関前に雪洞を作りました。実用性の高いものをとこの中で風雪時アイゼンの脱着が出来るよう大きなものを作りました。この雪洞からは燕岳も見ることが出来ます。
午後になってガスがわいたり、消えたりの中で刻々と光線の状態が変わり、様々な燕岳の表情を楽しませてくれました。この写真ではわかりづらいかもしれませんが、写真の右側の雪庇の付け根にははっきりとわかる切れ目が出来ていました。このあたりの稜線の東側には大きな雪庇が出来るので、くれぐれも近づかないようにしてください。
営業最終日の今日にふさわしい美しい夕景を見せてくれました。3週間あまりの冬期営業中、こうして美しい日の入が見えた日は決して多くはありませんでした。そんな中、最終日にふさわしい日の入を見ることが出来ました。
1月8日は天気がかなり悪くなりそうです。燕岳でももしかしたら雨になるもという予報が出ています。その前には下山できるよう明日一日片付け作業を頑張って7日には下山の予定です。
この冬も多くのお客様に燕山荘にお越し頂きましてありがとうございました。l夏は比較的難しくない燕岳でも、冬の悪天時は非常に厳しい山となります。それでも大きな事故もなく、冬期営業を終えられることに今はほっとしています。皆様の天候判断や装備が良かったのだと思います。
河地