まもなく営業が始まります。
今年の梅雨はかつてないくらい雨量が多くなりました。燕岳周辺では幸いにも大きな被害はなかったようですが、所々で倒木があり、その処理が必要となった場所もありました。しかし、それでも今現在は燕岳までの登山道は通行可能となっています。一方、東沢乗越経由のルートにつきましては増水しているため様子を見に行くことさえ危険ですので、現段階ではその様子はわかりません。テント場の雪もほとんどなくなりましたが、まだ所によっては残っています。山荘直下は夏道が通行可能ですが、ここ数日の雨量を考えると地盤が緩くなっているため、今しばらく冬ルートのご案内をさせていただきます。
大天荘、ヒュッテ大槍にもスタッフが入り、7月15日からの営業に備えています。それにしても今年の梅雨は雨がよく降るもので、今日になってようやく雨が上がり、周りの景色が広がりました。その間に緑はさらに濃くなり、山は夏の色へと変わっていました。
燕山荘の直下にはシナノキンバイ、ミヤマキンバイなどの黄色い花々がお花畑を形成しています。
そして、燕岳といえばこの花を楽しみ登ってこられる方々も多いことでしょう。今、こまくさがたくさん咲き始めてきました。8月の上旬くらいまでが見頃となります。
チングルマもあちこちに咲きだしてきています。白い花びらが雨に濡れると透き通ったようになり、雨の日ならではの美しさを見せてくれます。
こんな雨ばかりの日々の中、ライチョウの赤ちゃんは元気に育っています。連日のように小屋の近くにやってきて、親の心配など気にせず、あちこちと歩き回り、エサを食べています。その間、親鳥は心配そうに周りを警戒しています。あまり近づくと嫌がるので、遠くからそっと見るのがいいでしょう。
明後日、7月15日からいよいよ今シーズンの営業が始まります。コロナの影響により、宿泊者人数を絞っての営業となり、かつてのようにはいかない部分も多くあります。多くの方々に山を楽しんで頂きたい一方、蜜を避けるために制限せざるを得ない部分もたくさん出てきます。ご理解ご協力のほどよろしくお願いします。
河地