これからの登山スタイル
7月17日(金) 午後3時現在の気温:18℃ 天候:小雨
昨日、久しぶりの青空がのぞいた、ここ有明荘ですが、今日は朝からどんよりとした曇り空。 ・・・と思っていたら、1時間ほど前から、またしてもパラパラと雨です。
さて・・・、いよいよ、おととい15日から、北アルプスの山小屋の営業が始まりました。
まさに、「待ちに待った」という心持ちの方も多いと思いますが、今年は、夏山シーズンの到来を手放しでは喜べない状況になっている事も、皆さまご承知の通りです。もちろん、有明荘でも、しっかりとした感染拡大防止対策は取っており、安心してご利用いただけるように努めてはおりますが、全く自覚症状を発していない感染者の方が来荘される可能性を排除できないのもまた事実です。
このところの感染者数の増加を受けてか、ひと月に何度も燕岳に登られる埼玉の超常連様も、予約されていた日にちを10日ほど先に延ばされたり、また、別の常連様も、先日、お電話を頂き、「一旦、予約をキャンセルしていいですか?万が一にも、そちらにご迷惑をお掛けするような事があってはならないので・・・」と、ご自身の感染リスクではなく、他人や他所を慮る方もいらっしゃいます。
一方で、登山の自粛をお願いしていたこれまでの期間でも、晴れた日などには、登山口近くの駐車場に全国各地のナンバーを付けた車も多く目にしましたし、「自分は大丈夫」と、さして根拠のない自信を持っていらっしゃる方もいるだろう事は容易に想像がつきます。
それでも、盛大に晴れ渡った北アルプスの稜線で、体いっぱいに涼風を感じることを楽しみに、登山の2週間前から、極力、人ごみを避け、カラオケや居酒屋に行かないのはもちろんの事、職場での昼食もひとりで行き、エレベーターは使わず(避密)、買い物もネットで・・・と、ストイックに来るべき山行に備えている人がいる事も知っています。
山小屋は予約制を取り、感染防止対策を徹底し、登山者は登山の2週間前からストイックに節制して、ウイルスを山に持ち込まない。これからの新しい登山のスタイルが始まろうとしています。
(猪股け)