白い世界へ。
朝には天気がすっかりと回復していて、一面の白銀の世界とはいきませんが新雪が積もり、白くなって美しい燕岳が出迎えてくれました。一日にして山の様子はガラリと変わりました。
今朝は小屋の西側の温度計はマイナス4℃を示し、この秋一番の冷え込みとなりました。日の出を見て、小屋に戻ってきたお客様は皆さん本当に寒そうでした。
気温は氷点下だったのですが、太陽の光が当たりだすと屋根からどんどん雪が落ち始めてきました。新雪の朝早くが最も白く美しい時間帯です。
槍穂高もすっかり初冬の装いへと変わっていました。美しい反面、これらの山域へ入っていくのには高い登山技術が必要となってきたようです。また、コロナ禍の今年は10月24日で営業を終える山小屋がほとんどです。縦走がより困難なものへとなっていきます。
今朝の玄関前は青い空と白い雪の美しい景色が広がり、皆さんとてもいい顔をされていらっしゃいました。昨日を境に燕岳へ上る際に必要な装備もすっかりと変わりました。雪に対応できる装備が必要になってきました。手袋、ニット帽、サングラス、スパッツ、靴底の堅い靴、雪に不安な方はストック、軽アイゼン、チェーンスパイクなどの滑り止め、テルモス、レスキューシート(これは雪山に限らずいつでも持っているといいものです)。
朝のうちはイルカ岩にもまだ雪がくっついていて、少し白いイルカになっていました。
周りの山々も雪が降ったようでした。鹿島槍をはじめ北部の山々も白くなっていましたが、どうやら南部のほうが積雪量が多かったようで、あまり白くなっていませんでした。
富士山の積雪量もぐっと増え、白い部分が多くなっていました。
八ヶ岳や南アルプスも白くなっていました。そのほか浅間屋の天辺も白くなっていました。昨日の雨はここから見えるまわりの山々でも雪だったようです。昨年などと比べて今年は雪の訪れが早くなりました。雪があるかないかによって山の難しさ随分と変わってくるものです。
今日の日中は晴れてはいたものの気温はあまり上がらず、寒い一日でした。しかし、日差しが当たる部分では雪解けが進んで登山道上では地面が出てきたところもありました。ただ、多くの人が歩いたため、雪が残っているところはツルツルになっています。明日はまた、冷え込みも厳しいようなのでより一層滑りやすくなりそうです。朝早くは雪が堅いので少し遅めに下山を始めるのもいいかもしれません。
夕方、南西方向の空には筋状の雲が現れ、とてもきれいでした。
日の入りごろになるとその雲も取れ、美しい日の入りを見ることができました。雪があると雪面が紅く染まります。
昨日は新月で今日は月齢1の細い月が日が沈んだ後、樅沢岳の上に細く美しく輝いていました。明日明後日と気温が低い状態が続きそうです。雪解けもあまり進まないのかもしれません。白い景色が長く楽しめそうでいいかもしれませんが、冬支度のほうが冬の訪れの早さに少し追いついていなくて少々焦りを感じています。また、この冷え込みにより水のポンプアップが困難になってきていて、この先水を上げられるかどうか非常に心配です。お泊りのお客様には節水の協力をお願い致します。
河地