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燕山荘

高曇り。


氷点下の朝というのが当たり前となってきました。体も寒さに少しずつ慣れてきて、さほど寒いとも感じなくはなってきましたが下から登ってこられたお客様にとってはきっと寒く感じられたことでしょう。そんな今朝は高曇りの空となりましたが日が昇る頃、日の出場所からはずいぶん遠くなったはずの燕岳の上の雲がきれいに赤く染まりました。

雲が多かったため、太陽の姿が見えたのは雲の切れ間に差し掛かった時だけのほんの一瞬でした。

そして、太陽が雲に隠れてしまうと美しい光芒も見られ、美しさを二度楽しめる朝となりました。

灰色の雲が空一面を覆い、なんとなく暗い感じの一日となってしまいましたが光が弱いことによって、いつもとは違う光の印影となり、白くなった富士山もいつもより美しく見えていました。

降雪直後に比べ、雪の量は多少少なくなりましたが、3000m級の槍・穂高はまだまだ雪がたくさんあるようです。

高曇りのまま、一日は過ぎていきましたが午後になるとぼんやりとですが太陽の姿を見ることが出来ました。日中の玄関先の温度計は3℃くらいまで上がりましたが、日差しがないので寒い一日となりました。こうして、気温が上がらなくなると水のポンプアップが出来なくなってしまいます。また、降雪があったため水上げのパイプが雪の下になってしまうと太陽の光が当たっても中に残る氷が融けなくて、水上げはさらに厳しくなってしまいます。なんとかもう一度くらい上げるチャンスが来るといいのですが。このままだと昨年よりも10日程早く、水上げが終了となってしまい、かなり厳しい状況となってしまいます。やはり、山小屋にとって水は一番大切なものだと改めて感じています。そのため、夕朝食時には使い捨ての紙皿を使わせていただくことにどうかご理解の程お願いします。

こうして、降雪があると冬支度のスピードも加速しなければなりません。今回の降雪を予想して、仮ではめてあった雪囲いもこの先の降雪を予想して、しっかりと入れなおしました。雪が降ってしまうと困難になる作業がたくさんあるので明日明後日のうちに進めておきたいものです。木金辺りの天気予報の雨マークはまた雪になるのでしょうか。雪だと水上げがさらに困難になってしまいます。なんとか雨になってほしいものです。

日差しもなく、どんよりとした一日でしたがこの一羽のイワヒバリが玄関前にやってきて、心を和ませてくれました。そろそろイワヒバリたちも下へと降りて行ってしまう時期が近づいてきているようです。

夕方、雨飾山辺りの上には夏のようなもくもくとした雲が現れていました。冬に北陸では雷がなりますが、それと少し関係ある雲なのかなと思いました。

朝と同じように日が沈むところだけ、雲が切れていて美しい夕景を見ることが出来ました。今日一日で雪解けはあまり進まなかったようです。明日は太陽の光が届くのでしょうか。太陽の光が恋しい季節になってきました。こうして身近に雪があると季節はすっかり冬の気分になってきます。

河地

株式会社燕山荘 松本事務所

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