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燕山荘

冬型の気圧配置へ。


日本列島を挟んで南北に低気圧が発生し、いわゆる二つ玉低気圧が出来ていて朝から稜線上は強い風雨となりました。ただ、この低気圧が通過するまでは気温も高めなので今シーズンの水揚げのラストチャンスと思い、風雨の強い稜線上を水上げのパイプ沿いに歩いて回り、何か所かジョイント部分を緩めたり、閉めたりしているとエアーがかんでいたのでしょうか、ようやく水が上がりだしました。今日、水が上がっていなければ、恐らく残り一ケ月ほどとなった営業期間中に水はなくなっていたことでしょう。今日一日で14トンほどの水を上げる予定です。夜通し水上げのポンプを回して、水を確保します。

10時頃になると雨も上がり、展望が開けてきました。この雨で大天井岳や槍方面の雪もずいぶんと融けたようでした。

今日も冬支度の作業を進めました。悪天時、小屋の中でアイゼンを脱着できるようにと玄関の土間にはコンパネを敷きました。混雑時や天気のいい時は外で脱着をお願いします。

お昼時、一時だけ青空が広がりました。これはいわるゆ疑似好天というものです。二つ玉低気圧が通過して、寒気が入り込んでくる前の一時だけこうして晴れることがあります。この晴天は山から逃げるチャンスでもある一方、この晴天に勘違いして突っ込んでしまい、痛い思いをする場合もあります。実際、この晴天の後、気温は氷点下へと下がり始めました。明日は街では晴れの予報ですが、山の上では雪の予報となっています。これからの季節、天気予報は街と山の予報が大きく異なってくる場合があります。特に明日のような気圧配置になる時は注意が必要です。明日は恐らく気温はプラスにはならないかもしれません。また、念のため軽アイゼン等の雪山装備もお持ちになられるといいです。

こちらは第2別館です。冬は冬期小屋として開放しています。先日、布団を移動したばかりですが今日は冬期小屋仕様へと変え始めました。外では小雪が舞っていて、冬に使われる方のことを想像しながら作業を進めました。

その第二別館の近くに今日は昨日とは違う三羽のライチョウがやってきました。昨日見たライチョウよりずいぶんと白くなっているようでした。

明日は冬型の気圧配置となり、山の上と下では天気が大きく異なることが予想されます。くれぐれも無理をなさらないように、街は秋でも山の上はもう冬に入り始めています。

河地

株式会社燕山荘 松本事務所

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