下山日。
いよいよ、下山の日を迎えました。4月に入山したものの営業は7月15日からとなり、除雪作業や登山道整備などの日々ばかりでお客様が全くいない、なんとも不思議な時間を長く過ごしました。そして、ようやく7月15日から営業を始めることが出来、ほっと一安心でした。今朝も静かな夜明けを迎え、松本の街の灯りの上の空はきれいなオレンジ色に染まっていました。
日の出も6時半より遅くなってきました。また、日の出前の西の空には間もなく沈もうとするオリオン座も見えていました。これらのことが時間が過ぎたことを教えてくれます。営業期間がいつもの半分近くなってしまったこともありますが、いつも以上に早く感じる一年でした。
先日の雪でかろうじて白くなった状態で下山日を迎えることが出来ましたが、11月の積雪量というのがほんとうに少なくなってしまいました。今までであれば小屋閉めまでにトレース付けに行ったり、赤旗を立てに行ったりする作業があったのですが、それがなくなってしまったのも少し寂しい感じがします。
槍穂高にだけ今日は雲がかかっていて、姿をなかなか見せてくれません。
先日もそうでしたが小屋の営業が終っても登ってくる方は多くいらっしゃるようです。もう多くはないかもしれませんが大天井岳へ行かれる方もいらっしゃることでしょう。燕山荘から先はすべて冬ルートをご通行ください。先日、通られた方の話によると大天井岳の登りの夏ルートは入口辺りは雪がないので入ってみたところ、途中ツルツルで怖い所があったため、下山は冬ルートを通ったという方がいらっしゃいました。今の時期は夏ルート(黄色線)には決して入らないでください。過去には滑落事故が何件も発生しています。赤い線の冬ルートを必ずお通り下さい。
今シーズンもありがとうございました。コロナ対策にご協力頂きましてありがとうございました。お陰様で無事にシーズンを終えることが出来そうです。
冬期営業は12月26日からとなります。真っ白な燕岳を我々も楽しみにしています。
河地