タイムスリップ
9月23日(木) 午後3時現在の気温:21℃ 天候:晴れ
昨夜降っていた雨も夜半には止んで、今朝は秋の抜けるような青空が広がりました。
▼今朝の有明荘
登山には最高のお天気となり、連休にはならない祝日とあって今日は日帰り登山の方が多かったような気がします。燕岳の紅葉も見頃を迎え、下りて来た皆さん大満足の笑顔が印象的でした。
今日は「秋分の日」、昼と夜の長さがほぼ等しくなる日・・・これから日を追うごとに日没が早くなってくるので、日帰り登山を楽しむ方は下山時刻に注意が必要です。
山頂の素晴らしい風景に目を奪われて下山開始時間が遅くなったり、登りの疲れが出て思うように足が進まなかったりで、想定以上に下山に時間がかかり暗闇の中を歩く危険な状況に陥る方が多くなるのがこの時期です。燕山荘HP「燕山荘・赤沼健至登山マニュアル」の「燕岳日帰り登山をされる方へ」をご一読いただき安全で事故のない登山を楽しんで頂けたらと思います。
さて、今年、燕山荘は100周年を迎え、その話題は地元新聞やTVなどで取り上げられました。先日それをご覧になって50年前学校登山で燕岳に登った事を懐かしく想い、有明荘へ足を運ばれたお客様がいました。
「登山口までの狭くてくねくねした道路を何となく覚えています。でも、この建物は今とは違うような・・・?」と昔の記憶をたどっていらっしゃいました。
燕山荘がここ有明荘の運営を安曇野市から受託したのが21年前。それ以前の事は聞き伝えでしか分からないのですが、有明荘に保管してあった古い写真を取り出して一緒に見ながらお話を伺っているうちに、昔にタイムスリップしてしまったかのようで楽しい時間を過ごさせていただきました。
▼初期の有明荘
▼「山の食堂」がありました。
▼現在の露天風呂の原型「岩風呂」。
▼館内には卓球台もあったようです。
▼当時は「旧館」と呼ばれる建物があり、その旧館に上がる長い階段。この階段は印象深かったらしく、当時を知る人のほとんどが覚えています。
▼改築され現在の建物に近くなりました。現在の第3駐車場には「旧館」と呼ばれる建物が残っています。
▼学校登山で訪れる子供たち。この頃、学校の貸切バスに限らず、中房線には松本電鉄バス(現アルピコグループ)の路線バスが運行されていました。始発は現在のように穂高駅ではなく有明駅でした。
最後にお客様が口にした言葉は「もう、燕岳に登る体力はないから行けないけど、きっと山は変わらず綺麗なのでしょうね。ここの温泉も昔と同じで、とても気持ち良かったです。」
その言葉を聞いて、人や建物は時代とともに変わっていっても、自然は変わらず私達を包み込んでいてくれるのだなぁと思いました。
数十年経ち、今ここにいる私たちもいつか過去の人となっても、きっと山や温泉は同じようにその時代を生きる人をあたたかく迎えてくれるのでしょう。お話を伺いながら、この美しい自然と自然の恵みに感謝し維持していく大切さをしみじみと感じました。
(猪股ひ)