晴れから降雪へ。
昨夜も月明かりの美しい夜となりました。雪で白くなった山々が月明かりに照らされ、暗闇の中に浮かび上がります。この幻想的な美しさが好きで、寒い中、カメラを持って小屋周りをうろうろしていました。
日の出も随分遅くなり、６時近くになってきました。今朝の太陽は少し黄色っぽい朝焼けとなりました。同じ朝焼けでも日によって色合いが異なります。だから、いつも日が昇る瞬間には外に居るようにしています。その日毎のそれぞれの美しさがあります。
太陽の光が標高の高い所から順に当たり始めます。月の入りはこれからは日毎に遅くなっています。満月の昨日は日の出と日の入りが同じくらいの時間でした。
今日は素晴らしい青空が広がりました。気温もかろうじてプラスになる程度でしたが、日差しがあり、あまり寒くは感じませんでした。白くなった山々と青空のコントラストがとてもきれいでした。たった一晩にしてガラッと変わってしまったこの景色、山小屋で働いていると気分はもうすっかり冬山です。今日、登ってこられたお客様のほとんどは軽アイゼンやチェーンスパイクをお持ちでした。もうスニーカー等の軽装で登ってくるのはスリップ等の危険が伴います。
今日の日差しで燕岳の雪はだいぶ融けたようでした。昨日までの白さと随分と違います。ただ、登山道上は人に踏まれた雪がツルツルのカチカチになっていて、人が多く歩けば歩くほどツルツルになっていきます。週末の明日は多くの方々が登ってこられるので、さらにツルツルとなっていくことでしょう。底の堅い靴やチェーンアイゼンなどあると安心して上下山が出来ることかと思います。
この穏やかな天気の下、テント場トイレの解体工による廃材の荷下ろし作業はすべて無事に終わりました。中房を３６往復、４時間にも及ぶ長い作業でした。山の上で一つの建物を作るというのはものすごい労力が必要なのだと改めて感じました。雪のなくなる来年の６月あたりから工事が再開される予定です。今日はヘリが来るたびにテント場にはものすごい雪煙が上がっていました。
天気のいい一日でしたが、夕方になると雪がちらつき始め、テントの上やベンチの上にうっすらと積り始めました。明日の朝になるともう少し白くなっていくのでしょうか。こんなことを繰り返していると積雪量は増えていくのでしょうか。
河地
