稜線の風には注意が必要です。
さかきです。
▲大天荘 食堂から
食堂から眺め見る日の出、光の加減がじつに穏やかに感じられ、ここで食べる朝食の時空間のなんと贅沢なことか・・・自画自賛です。
ただ、食堂居ながらにして望むことができないのが槍・穂高連峰です。
今朝は見事なモルゲンロートでした。
▲槍ヶ岳・大喰岳・中岳
▲穂高連峰
毎年話題に出していますが、お盆の今頃になると、北穂高小屋の窓ガラスに日の出直後の太陽の光が反射して、輝き放つのがテント場から見ることができます。
これを見るとなんとなく晩夏を感じさせ、徐々に秋めいてくるのだなと、感慨浸ってしまいます。
加えて今日は、奥穂高岳のすぐ脇から虹、そして前穂高岳の左脇、背後に御嶽山が隠れていますが、その真上にかかる笠雲も印象的でした。
気になるお盆休み後半の空模様ですが、ヤマテン等種々の気象情報見てみますと、北アルプスの稜線ではかなり風が強まるようです。今朝も、大天荘テント場でテント一張りが撤収中に風で飛ばされ、谷間に消えていきました。
当時の風は平均で10~15m/s、突風的には20m/s以上あったものと思います。ちなみに、今朝の大天荘周辺の外気温は8℃程。
晴れか雨かだけの情報のみならず、稜線登山では風の要素も行動に大きく左右します。それは、テント設営や撤収の難しさのみならず、長時間風に身をさらすことによる低体温症のリスク等々も含まれます。
8月とはいえ悪天候時の稜線は、雨などによる雨具や衣類の濡れ具合、それに気温と風速次第では、体感温度は0℃近くに感じることも珍しくありません。この時期でも低体温症で救助を求められた方は過去にもお出でになります。
十分な睡眠で体を休め食事をしっかり摂る、行動中はこまめな水分補給に食べ物の摂取、リスクを軽減できる要素はたくさんありますし、Web検索でも参考になる情報源はたくさんあります。
せっかくのお休みに遠方からご予定されている方大勢いらっしゃるかと思われますが、少なくとも稜線歩きにおいては無理をなさらずに、少しでも不安や体調変化を感じられる時は、引き返したり行程変更といった勇気も持ち合わせて頂ければと思います。
事故怪我無く楽しい登山が送れますよう願って止みません。
※明日明後日、大天荘テント場でのテント設営は、予報される風速を鑑みますとかなり難しいと思いますので、その点十分考慮されて登山計画を練り直して頂ければと思います。