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燕山荘

嵐は過ぎ去って。


日付が変わるころ、この辺りには風が最も強くなり、布団の中で小屋がガタガタと揺れるのが分かりました。そして、また目が覚めると強い雨が降っていて少し心配になりましたが、その雨も7時過ぎには上がり、燕岳や合戦尾根が見えるようになってきました。一時、強い風が吹きましたがこの周辺の登山道には被害がなく、お昼ごろよりお泊りのお客様が到着され始めました。

午前中は真っ白なガスに包まれていましたが、15時頃よりそのガスは取れ始めてきました。安曇野側も雲海でしたが、高瀬渓谷側もびっしりと雲海が入り、とてもきれいな光景が広がりました。高瀬側の雲海は高く、2600m位の高さまでありました。そして、その雲海の上には幻日も現れました。こんな光景はなかなか見られるものではありません。

日没が近づいてくると東沢乗越の北から南へと雲が流れ始めました。雲がまるで水の流れのようでした。

また、縦走路の方に目をやると高瀬渓谷側から安曇野側へと雲が滝のように流れ出しました。なんと素晴らしい光景なのでしょうか。今日登ってこられた方々はこの光景を見ることが出来、とっても喜んでいらっしゃいました。

高瀬側に広がる雲海は消えることなく、しばらく美しい姿を見せてくれました。ここまで高い雲海は早々みられるものではありません。今回の台風の置き土産なのでしょうか。

日の入りは17時45分頃でした。鷲羽岳の左側へと沈んでいきました。台風が過ぎ、冷たい空気が入り出してきたのか、夕方の気温は8℃くらいで夕日を眺めていらっしゃる方々の服装は薄手のダウンを来ている方々が多かったです。

この美しい日の入りが終った後も目が離せませんでした。日が沈んで15分くらいたつと空の色はみるみるオレンジ色へと変わっていきました。その空の色が雲海の雲まで薄っすらとオレンジ色に染めていました。

そして、20分くらいたった18時過ぎ、今日の夕焼けのクライマックスでした。本当にきれいな夕焼けでした。山の上で暮らしていても今日のような美しい夕焼けに出会えることはそう多くはありません。

河地

 

 

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