「水」について。
さかきです。
最近、稜線の山小屋で話題にあがっている「水不足」についてのお問い合わせを頂きますが、今のところ大天荘に関しましては、通常通り飲料水の提供をさせて頂いております(制限等はかけておりません)。
蛇口から出ます飲料水、ペットボトルの販売等に支障はきたしておりませんので、予めご案内させて頂きます。
最も、山小屋における「水」は、普段降る雨の量もしくは残雪量が多い少ないに限らず、その確保はなかなか大変で、貴重な資源、山小屋の大切な生命線の一つです。
殊、大天荘については、標高差400mほど下方よりポンプアップして湧き水を確保、ご提供させて頂いております。ただ、ここの水源地は、決して水量が豊富なわけではないため、一概にポンプアップといっても、水圧調整等のバランスが難しく、なかなか一苦労なのが事実です。
ご利用なられる際は、極力節水のご協力をお願い致します。
※時々、洗面台で衣類を水洗いされ、それを乾燥室に干す方を見受けますが、上記の事情を考慮頂き、そういった行為はお控えください。
※先日は、外来蛇口にてシャンプーを使って洗髪されている方もいらっしゃいました・・・絶対にお止めください。
山小屋の水事情にご理解・ご協力を重ねてお願い申し上げます。
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今日の午前中、台風の影響でお客様が少なかった合間を縫って、スタッフ向けの熱中症・高山病・低体温症等のレクチャーを、このお盆休み期間中に来荘頂いた日本登山医学会認定の国際山岳医 千島康稔先生に行って頂きました。
いろいろポイントをかいつまんでお話いただきましたが、どの症状に関しても一貫して言える大事なことは、
「十分な水分とカロリー摂取」
です。
特に最近大天荘でも時々見受けられる熱中症・高山病になられた方は、登山の行動時間中に摂取すべき水分の不足に伴う脱水症状が一番の原因にあげられるようです。
〈必要水分量=体重×行動時間×5(ml)〉
※この7~8割以上を行動中に飲む
特に登山初心者の方は、喉が渇いたからその分を補う程度というよりも、上記の内容等、思考を働かせて積極的に水分を摂取することが大切です。
その時々の山行がよき思い出となるよう、こんなことも一つ頭にいれて行動して頂けるといいのかなと思います。
お盆休みがまもなく終わりを迎え、夏山シーズンも終盤です。
事故怪我なく、引き続き楽しい山行が送れますよう、祈念いたします。