燕・歳時記 Special

燕山荘通信

白銀に輝く栂池展望湿原日帰りスノーシューツアー1DAY催行しました


3月20日、22日、23日の3日間、展望湿原ツアーを催行致しました。

 

3日間通して概ね天候には恵まれましたが、20日は前日までの降雪で50cmほどの湿った新雪をかき分け、22日・23日は両日とも強風や突風に翻弄される、ある意味季節の変わり目の特異な気象状況や雪質を体感。

「風で倒されたのは生まれて初めてで・・・緊張したけど貴重な体験でした」
「ラッセルというものがこんなに大変だとは。ツアーでなければ今回こんな景色目の当たりにすることができなかった。感謝です」
「3月の北アルプスでも、晴れるとこんなに暑くなる・・・汗かきました。」

晴天にさえ恵まれれば、栂池自然園から展望湿原までの散策ルートそのものは、比較的容易にわかり得ますが、雪のコンディションや気象状況次第で、一気にその難易度はあがります。栂池自然園や展望湿原とはいえ、立派な雪山の領域。難しい判断を迫られることは大いにあります。
そんな点でも、こういったツアーを利用して頂き、少しでも雪山に興味や魅力を感じて頂けたら、更に自然との向き合い方が変わってくると思いますし、楽しみ方も無限に広がると思います。

 

<想定外の積雪>

前述の通り、20日は新雪が想定以上に降り積もっており、ロープウェイ山頂駅から暫くは圧雪車が均した所を進み、しばらく気づきませんでしたが、一歩栂池自然園近くの雪原に足を踏み入れた途端、膝上の湿った雪のラッセル。
このままのラッセルでは展望湿原まで辿り着けないということで、途中から先行者パーティーがつけて頂いたトレースを忠実に辿り、上部を目指すことにします。

 

この晴天です。他のスノーシューの方やBCの方々で多くの方が入山してきましたが、ほぼ全員、展望湿原方面へのハイクアップは、このトレースを使うことで、他の目新しいトレースはこの日一本もなし。それだけこの新雪には皆閉口したと思います。

 

予定よりやや遅れて展望湿原周辺に到着。この日風はほぼなかったので、長めにランチタイムとしたかったところですが、この先の深雪のことを考えて手短に済ませて頂きました。

 

それでも、到着してしばらくは雲に包まれていた白馬三山ですが、ランチタイム中にみるみるそれが取れ、澄み切った青空の下、ばっちり記念写真を納めることが叶いました。

 

ロープウェイ駅舎まではほぼ下りとはいえ、午後に入ってからの気温上昇や陽ざしが手伝い、雪質はさらに重くなりなかなか難儀しましたが、新雪で辺りの山肌真っ白、タイトル通りの見事な白銀の白馬三山を堪能でき、意気揚々と下山の途に就きました。

 

<強烈な風>
22日と23日は、いずれも強風に翻弄される二日間となりました。

画像からはなかなか伝わりにくいですが、稜線は終日もの凄い雪煙が巻き上がり、山肌を吹き下りる風の音はまさに轟音。
両日とも展望湿原に向かう際は、正面きっての向かい風。気温自体は高めだった為、手先などが冷たくなることはさほどありませんでしたが、ずっと強風に当り続けるのは体力が消耗するもの。

「行動中こんなに腹が減ることはなかった。風って登山する上で重要な要素なのですね。」

ちなみにこの日も、天狗原や白馬乗鞍岳方面の稜線に向かうBCは大勢いましたが、そのほとんどの方が途中で引き返したとのこと。
恐らく稜線付近は瞬間で40m/s以上の突風が吹き荒れていたものと思われます。無理もなく、引き返したことは英断です。

 

「なんでこんな雪の形になるのだろう・・・」
20日は一面きれいな新雪バーンでしたが、吹き荒れる強風でそれが見事に飛ばされ、あちらこちらで珍しい風紋が。一昨日我々含めた多くの方がつけたトレースの部分だけが跡として残り、踏み固められていない所の雪は飛ばされていました。

 

強風ではありましたが、春霞もそれほど酷くはなく、周辺の山並みや戸隠方面の遠望が効き、風を物ともせず皆さん意気揚々とハイクアップ。

 

22日・23日は両日とも、これだけ吹き荒れる中、展望湿原のすぐ脇、雪の壁状になった窪地ではほとんど吹かれることなく、落ち着いてランチタイムを取ることができました。
今日苦労して歩いてきた道のりが一望しながらランチを摂れるのがこの展望湿原のいいところです。

 

<ヒップソリで雪まみれ>

「下手するとスキーよりもワクワクするかも!」
「展望湿原だから楽しめるシリセード、ほんと楽しかった!」

栂池自然園や展望湿原のツアーでは恒例、3日間とも帰りは所々ヒップソリを使って雪と戯れました。
有意義な3日間、それもこれもロープウェイやゴンドラが強風などで止まらずに動いていてくれたことに、胸をなで下ろしているのが、今正直なところです・・・

 

▲3月20日ご参加の皆さん

 

▲3月22日ご参加の皆さん

 

▲3月23日ご参加の皆さん

3日間ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

 

 

2025年冬の燕山荘スノーシューツアーは、この度をもちまして全日程を終了致しました。
ツアーで利用させて頂きました各宿泊施設の皆様におかれまして、何かとご協力をいただきましたことに感謝申し上げます。今年は5年ぶりに復活しました蔵王ツアーが特に印象深く想い出に残っています。

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来月4月から、2025年度の燕山荘グループの営業が、燕山荘と有明荘を皮切りに始まります。そして今年は、6月から営業開始する大天荘やヒュッテ大槍に加えまして、新しく「ヒュッテ西岳」も燕山荘グループの山小屋として、登山者の皆様を支えていくこととなりました(営業開始予定日は7月半ば以降。現在HP、予約サイトの準備を進めています)。

世情は相変わらず落ち着かない日々ですが、喧騒から一旦距離を置き、是非山にお出かけ下さい。改めて大自然の素晴らしさと魅力に触れることで何か気づきや発見があるかもしれません。そのお手伝いができるよう、スタッフ一同新しいシーズンも一所懸命努めてまいります。

引き続き燕山荘グループを宜しくお願い致します。
ありがとうございました。

2025年スノーシューガイド:井村、河地、榊
写真と文:榊

 

 

 

 

 

 

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