4月26日現在 合戦尾根登山道状況
4月23日より、燕山荘グループ2022年度の営業が始まり、先ずは燕山荘・有明荘・合戦小屋がオープン致しました。ここ数年になく寒く雪の多い冬であったかと記憶していますが、いざ入山してみると、燕山荘周辺に限っては思いの外残雪量の少ない春山雪山を迎えています。特にここ数日は燕山荘のある2,700mの稜線付近、晴れた日の日中には気温が10℃を越え、勢いよく進む雪融けに、やや戸惑いさえ覚えます。スタッフ入山から1週間が経ちました。4月26日現在合戦尾根の状況をお伝え致します。なお、これからGW期間中までのわずか10日間程で、雪融けはかなり進むものと思われますので、状況は刻々と変わります。最新状況は、日々の燕山荘ブログ、HPでご確認をお願いいたします。
雪が少ないといっても、この時期、燕山荘へお出かけ予定の方は、「冬山・雪山」であるということを認識いただき、防寒対策や登山靴のご用意をお願い致します。装備は、ピッケルの携行、アイゼンは前歯のついた10本歯以上のもので、事前にご自分の靴にあうものであるか確認が必要です。ゴールデンウィークの時期は、日々の寒暖の差が著しく、稜線でも10℃を越える日があるかと思えば、-10℃近くまで冷え込む日もあり、雨ではなく風雪となることも珍しくありません。
※下山時撮影しましたので、燕山荘から第一ベンチまでの順でお伝えします。
▲燕山荘玄関前より燕岳とテント場
雪の上を絶えず踏むようになるのは第三ベンチから上部です。晴れた日中や雨天時はかなり雪が柔らかくなり、膝上まで踏み抜く箇所があり、アイゼン装着時、もし転倒などしてしまった場合には思わぬ怪我を招くことがあり注意が必要です。また、晴れた日の早朝は冷え込みやすく、逆に雪面はガチガチに凍結し、特に下山時はしっかりとしたアイゼンワークとピッケルの携行が欠かせません。
厳冬期よりも4月5月の雪山のほうが、急斜面などで一度足を滑らせてしまうと、なかなか自身の体を止めにくくなってしまう“滑落”の危険がありますので、この時期は、絶対「転ばない」=「滑落しない」ことが大切です。チェーンスパイクやスニーカー等の軽装での登山は、この時期はお止めください。遭難事故につながりかねません。そして必ず種々の気象情報(ヤマテン等)をよくご確認頂き、ご自身の技量と照らし合わせて無理のない登山計画をお立て頂きますようお願い致します。
燕山荘周りの状況、稜線の様子などは、毎日更新されます「燕山荘スタッフブログ」をご参照ください。引き続き新型ウィルス感染症対策をお忘れなく、事故のない安全で楽しいGW登山が送れますことを祈念いたします。
写真と文:榊