燕・歳時記 Special

燕山荘通信

燕山荘年末年始営業スタッフ入山しました


2022~2023年 年末年始営業のスタッフは、12月20日に全員無事に入山致しました。目下12月24日からの営業開始に向け、準備に取り掛かっています。

▲12月21日 朝陽浴びる燕岳

世の中の動きとしてはwithコロナが普遍的となりつつあるようですが、山小屋という特別な環境にある燕山荘としましては、引き続き新型ウィルス感染症拡散防止対策を取りながらの営業を進めてまいります。小屋周りが雪で覆われている関係で、グリーンシーズン程は行き届きませんが、換気やマスク着用・アルコール消毒等、お客様にもご協力頂きながらの営業に引き続きご理解ご了承をお願い申し上げます。

【雪の状況】


▲12月21日 燕岳山頂より槍ヶ岳方面


▲燕山荘 全容
合戦尾根、特に合戦小屋から燕山荘・燕岳周辺にかけては、近年稀に見る雪の少なさです。

以下各所の積雪状況です。


▲燕岳登山口


▲第一ベンチ 15㎝


▲第二ベンチ 20㎝

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


▲第三ベンチ 30㎝


▲第三ベンチ~富士見ベンチ


▲富士見ベンチ 40㎝

 


▲合戦小屋


▲合戦小屋 50㎝


▲合戦沢の頭


▲合戦沢の頭上部①


▲合戦沢の頭上部②

 


▲合戦沢の頭~燕山荘 中間部

 


▲燕山荘直下①

▲燕山荘直下②
合戦小屋~燕山荘は50㎝~1m程の積雪量です。

ちなみに、12月19日のトレース付け及び12月20日スタッフ上山の際は、第二ベンチから上部は膝から腰辺りまでのラッセルを強いられました。
全体的な積雪量は確かに少な目ではありますが、ここが注意すべき点で、「雪が少ないから簡単に登れる」わけでは決してありません。降雪直後では、わかんを必要とされるぐらいのラッセルを強いられることはしばしばです。わかんはアイゼンの携行並みに大切ですし、もっとわかんを多用するといいでしょう。

また、ここ直近の気温の推移は、燕山荘周辺で-20℃前後まで下がる日もあったようで、天候面では例年並みの厳冬期と変わらぬ厳しさです。北陸から東北南部にかけてはここ数日で軒並み積雪量が大幅に増加し、生活面で大きな障害を被っている地域が多くあると聞きますが、北アルプスはじめとする冬山登山にお出かけの際は、必ず気象情報をご確認頂き、ご自身の技量と照らし合わせた上で、無理のない山行計画をお立て頂きたいと思います。

意外と浸透していませんが、厳冬期は寒さに加え、「濡れ」「風」に対する危機意識をしっかりお持ち頂くことも重要です。低体温症のリスク管理に繋がります。寒さはさることながら、汗などによる衣類の濡れと、体を「風」からいかに守るかが、低体温症を回避するポイントです。

 


厳冬期の北アルプスは、厳しい表情を見せること間々ありますが、きちんとした準備と装備の用意、技量を見定めて頂ければ、一年で最も美しいと評される素晴らしい光景を目にする機会はいつか必ずやってきます。
この冬もどこかの山へお出かけ皆様、安全で楽しい登山となりますことを祈念しております。

我々燕山荘スタッフも、少しでも皆様の楽しい登山のサポートができるよう、入念な準備を整えてお越しをお待ちしております。

改めましてこの年末年始営業、よろしくお願い申し上げます。

写真・文 榊 寛昭

株式会社燕山荘 松本事務所

〒390-0874 長野県松本市大手2-3-10

0263-32-1535 0263-32-0898

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